〔墓荒らし〕どう対応するか?

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墓荒らし

墓地内での犯罪やいたずらの中でよく聞くのが墓荒らしです。

墓荒らしはお墓を破壊したり、お墓の納骨室から貴金属の遺品を盗む行為などが挙げられます。

昨年も千葉県で墓荒らしの報道がありました。

千葉県市川市柏井町にある「市川聖地霊園」で24日、少なくとも65基の墓が荒らされ、納骨室の扉が開けられるなどしていたことが見つかった。警察は、墓の所有者に連絡を取るなどして、盗まれたものがないか確認を急ぐとともに墳墓発掘容疑で調べている。

墓荒らしは日本だけではありません。

中国では文化財の転売目的で墓荒らしをした主犯の男に執行猶予付き死刑判決を受けた事件もあります。

中国遼寧省の古代遺跡から大量の文化財を盗んだグループに対する判決公判が14日、同省朝陽市の中級人民法院(地裁)で開かれ、地裁は遺跡盗掘や文化財転売などの罪で、主…

お墓をめぐる犯罪は単純に迷惑をかける目的のものから窃盗目的のものまであります。

このような墓荒らしにどのような対応をするのが正解なのでしょうか。

墓荒らしが犯罪となる根拠

墓荒らしが犯罪である点は知られていますが具体的にどのような法律に抵触するかまではあまり知られていません。

刑法という法律で188条の礼拝所不敬及び説教等妨害、189条の墳墓発掘が根拠となっています。

刑法

(礼拝所不敬及び説教等妨害)
第百八十八条 神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
 説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、一年以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
(墳墓発掘)
第百八十九条 墳墓を発掘した者は、二年以下の懲役に処する。
(墳墓発掘死体損壊等)
第百九十一条 第百八十九条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

このように墳墓を発掘したり、墓所での不敬な行為は刑法に抵触することになります。

その為、墓所を始めとする寺院などの境内でも振る舞いが問題となる場合がありますので注意が必要です。

警察に被害届を

犯人が不明な場合

墓荒らしが明らかに故意(わざと)である可能性が高い場合には警察に被害届を出しましょう。

被害届を出し警察に捜査をしてもらい犯人への処罰を求めることになります。

被害届は誰が出すのかという問題がありますが日ごろから墓地の管理をしている管理者、経営者が行うのが一般的ですが、墓地を使用している人でも構いません。

実際に墓荒らしはお彼岸やお盆などの行事の時期を外し、発覚しにくい時間帯を選ぶこともあるので実際には墓地を行事の時期に関係なく、日ごろから管理している方が届出をすることになるでしょう。

民事上の責任

墓荒らしの犯人が判明した場合は、故意又は過失であれば民事上の責任も問うことができます。

その根拠は民法709条にあります。

民法 (不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

具体的にどのように賠償してもらうかというと金銭によるものであったり、墓荒らしをした人が墓石業者に依頼し荒らす前の状態に戻してもらうなどです。

素人がお墓の傷を治すために作業をすることで二次被害や事故が発生する場合があるので賠償責任の内容については慎重に決めましょう。



お墓の犯罪防止は難しい?

第三者の侵入を防止するような対策をしている墓地は少ないのが現状です。

墓地の周囲に柵を設け、夜間は出入り口を施錠する様なことをしてもあまり実効性はありません。

早朝にお参りがしたいという使用者の要望があれば夜間早朝の施錠も難しいところが多いのではないでしょうか。

墓荒らしは起こる時は起こるという覚悟を持つことです。

そして仮に起こっても最低限の被害で済むように対策をすることになります。

①防犯カメラの設置

②夜間の見回り(地域住民との連携)

③貴金属の埋蔵を自粛(盗まれても良いものを)

これらは金銭的にも条件的にも容易ではありませんが、墓荒らしが起きにくい環境や起きても被害が少なくて済む環境を整えることが重要です。

墓地経営者の責任は

このような墓荒らしに対する責任を墓地経営者が負うのは少し酷な気がします。

但し墓地の契約約款などに予め防犯条項を定めていたり、徴収する墓地管理料に防犯のための費用も含めていた場合は話が変わってきます。

しかし多くの墓地は周囲に開かれた環境が多く、管理料も共用部分の清掃や管理のための事務費に限定していることがあり、墓地経営者の責任を問うことは難しいと言えます。

まとめ

✔ 墓荒らしは刑法によって罰せられる犯罪である

✔ 発見したら警察に被害届をし、民事上の責任追及を

✔お墓の防犯は墓地の性質上難しく、墓地経営者には条件により責任を問うことが可能