宗教法人とは? 今更聞けない宗教法人の基本的なこと

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宗教法人とは?

このブログでも度々、宗教法人についての記事を公開してきていますが、そもそも宗教法人って何?という疑問があると思います。

墓地について語るうえで絶対に外せないのは宗教法人。

宗教と墓地は密接に関わっているからこそ宗教法人の基本的なことは押さえておかなければいけません。

今回は宗教法人そのものについて分かりやすく解説していきます。

wikipediaで宗教法人について調べるとまず以下のような説明から始まります。

宗教法人(しゅうきょうほうじん)とは、宗教者と信者でつくる、法人格を取得した宗教団体の事である。

一言で宗教法人の説明をするのであればこれが最も適切でしょう。

しかし、より踏み込んだことについて知るには宗教法人法に沿って確認していく必要があります。

宗教団体しか宗教法人になれない

では宗教法人になれるのはどのような組織なのかということになります。

法律上、宗教法人となれるのは宗教団体のみです。

例えば株式会社、財団法人、社団法人から宗教法人になるということはできません。

(法人格)
第四条 宗教団体は、この法律により、法人となることができる。
2 この法律において「宗教法人」とは、この法律により法人となつた宗教団体をいう。

では、その宗教団体というのは法律上どのように定義されているのか確認してきましょう。

意外と細かい要件があります。

(宗教団体の定義)
第二条 この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。
一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体

一般的には布教者と信者がいればそれで宗教団体という見方をされることがありますが法律上は以下の要件を備えないと宗教団体とは言えません。

教義を広めている
儀式行事を行っている
信者を教化育成することが主たる目的
礼拝施設を備えている
神社、寺院、教会、修道院又はこれらの団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区

この5要件を満たす必要があります。

この5要件については法律上の話ですが、実際に宗教団体から宗教法人になろうとすると更に細かい要件や活動実績が必要になります。

宗教法人化することのメリットについてはこれを読まれている多くの方が関心をお持ちだと思いますので別途、記事にしています。

読んでみてください。

〔宗教法人化〕宗教団体から宗教法人にすることのメリットとは
宗教法人と宗教団体 皆さんの周りにある寺院や教会は殆どが宗教法人です。 意外と初耳な話だと思いますが、表札では「○○寺」と出ていて宗教法人かどうかは外見上分からないことがあります。 しかし実際は宗教法人です。宗教法人の場合、寺院名を名乗る際に宗教法人を付けることは義務とされていないから...

制度目的

何故、宗教団体から宗教法人になれる制度が存在するには重要な理由があります。

宗教法人化するメリットと被るところがありますが法律上の能力を与えることに意義があります。

(この法律の目的)
第一条 この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。

この法律上の能力というのは、他者と賃貸借、売買といった契約、建物や土地を所有といった権利や義務の主体になることを指します。

宗教団体にはこの法律上の能力を持たせる必要が出てきます。

何故なら、宗教団体のままでは土地建物を所有したり契約をしたりということが難しく、どうしても団体の代表者個人としてでないと権利義務の当事者になれないからです。

そして、その代表者は永遠に存在するわけではないのでいずれは亡くなり、所有財産は相続の対象となります。

礼拝施設が相続の対象となれば財産は散逸し宗教活動ができなくなることも考えられます。

そのような問題を防ぐために宗教団体に法律上の能力を持たせる必要があるのです。

境内建物と境内地

宗教法人として重要な財産は礼拝施設や宗教活動のために不可欠な土地や建物です。

「境内」というと寺院や神社でよく聞くことがあるかもしれませんが、実は教会やモスクでも法律上は境内と呼びます。

このような境内地、境内建物があるというのが宗教団体の要件でもありますし、宗教法人になることで所有することができます。

境内についての定義は以下の通りです。

(境内建物及び境内地の定義)
第三条 この法律において「境内建物」とは、第一号に掲げるような宗教法人の前条に規定する目的のために必要な当該宗教法人に固有の建物及び工作物をいい、「境内地」とは、第二号から第七号までに掲げるような宗教法人の同条に規定する目的のために必要な当該宗教法人に固有の土地をいう。
一 本殿、拝殿、本堂、会堂、僧堂、僧院、信者修行所、社務所、庫裏、教職舎、宗務庁、教務院、教団事務所その他宗教法人の前条に規定する目的のために供される建物及び工作物(附属の建物及び工作物を含む。)
二 前号に掲げる建物又は工作物が存する一画の土地(立木竹その他建物及び工作物以外の定着物を含む。以下この条において同じ。)
三 参道として用いられる土地
四 宗教上の儀式行事を行うために用いられる土地(神 田、仏供田、修道耕牧地等を含む。)
五 庭園、山林その他尊厳又は風致を保持するために用いられる土地
六 歴史、古記等によつて密接な縁故がある土地
七 前各号に掲げる建物、工作物又は土地の災害を防止するために用いられる土地

所轄庁

所轄庁というのは別の言い方にすると監督官庁、担当している官庁という意味です。

所轄庁は宗教法人によって違います。

原則は主たる事務所がある所在地の都道府県知事になります。

例えば東京都内に主たる事務所があれば東京都知事が所轄庁です。

しかし、例外もあります。

(所轄庁)

第五条 宗教法人の所轄庁は、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事とする。
2 次に掲げる宗教法人にあつては、その所轄庁は、前項の規定にかかわらず、文部科学大臣とする。
一 他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人
二 前号に掲げる宗教法人以外の宗教法人であつて同号に掲げる宗教法人を包括するもの
三 前二号に掲げるもののほか、他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人

赤の下線で示した宗教法人は文部科学大臣所轄になります。

まず、複数の都道府県にまたがり境内建物がある場合です。

例えば東京都内と大阪府内の両方に境内建物があるような宗教法人が想定されます。

この場合、あくまで「境内建物」になりますので賃貸になることも稀にあるかもしれません。

次に包括宗教法人です。

包括と被包括の関係は寺院で言えば本山と末寺のような関係です。

法律上は複数の都道府県に境内が存在する宗教法人を包括している、複数の都道府県にある宗教法人を包括している場合になります。

ですので、包括・被包括の関係が1つの都道府県の範囲内であれば所轄庁は都道府県知事です。

例えば東京都内に本山があり末寺も東京都内に全て存在しているような宗派は東京都知事が所轄庁ということになります。

なかなか複雑な仕組みのように見えますが、複数の都道府県に境内や法人が跨っているかどうかがポイントです。

宗教法人も事業ができる

宗教法人は布教活動だけしかできないというわけでもありません。

宗教目的に関係するような事業であれば行うことができます。

(公益事業その他の事業)
第六条 宗教法人は、公益事業を行うことができる。
2 宗教法人は、その目的に反しない限り、公益事業以外の事業を行うことができる。この場合において、収益を生じたときは、これを当該宗教法人、当該宗教法人を包括する宗教団体又は当該宗教法人が援助する宗教法人若しくは公益事業のために使用しなければならない。

大きく分けて、公益事業かその他の事業に分かれますが公益事業の代表格は墓地です。

一方でその他の事業は、その宗教法人の目的によって違ってくるところもあるかもしれませんが例えばペット霊園、宿坊、保育園などです。

公益事業以外の事業で得た収益はその宗教法人やそれに関連する宗教法人のために利用しなければならないことになっています。

布施や寄附金だけでは運営できない宗教法人は無数に存在します。

そういった場合には宗教法人に応じてできる事業を色々検討してみることも重要なことです。

まとめ

宗教法人法にそって説明していきましたがイメージが湧きましたでしょうか?

宗教法人と取引したい、これから宗教法人を設立したい、既に役員になっている方、いろいろいらっしゃると思いますが意外と身近な存在です。

宗教を長く続けていくための制度ということで理解していただければと思います。

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