〔解散命令〕宗教法人はどのような時に解散命令がでるのか

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宗教法人の解散命令

宗教法人が解散させられた事件があるのを皆さんご存知でしょうか?

宗教法人法81条に定める解散命令を受けるとで裁判所から解散を命じられることがあります。

ここ最近で一番有名なのが宗教法人オウム真理教解散命令事件です。

オウム真理教の事件は多数の犠牲者を出し、社会に大きな影響を与えました。

もう20年前のことですが宗教法人と聞くとこの事件を思い出される方もいいのではないでしょうか。

信教の自由がある日本で、宗教法人を解散させるにはよほどの事情がなければ認められません。

墓地の運営をする宗教法人にあっても人ごとではありません。

真っ当な運営をしている宗教法人には全く関係のないことですが教義と目的が危険な方向性に走ると起こり得ることであることをこの事件が証明しています。

今回はこの解散命令を巡って記事にしていきます。

解散を命じられるた要因

このオウム真理教の解散命令事件は、憲法20条1項が定める信教の自由に抵触しないかが争われたリーディングケースです。

この解散命令は信教の自由に抵触しないという結論になりました。

どのような理由だったのかを見ていきます。

宗教法人法81条を見てみる

宗教法人法81条では解散を命ずることができる場合について定められています。
宗教法人法(解散命令)
第八十一条  裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる
 法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。
 第二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと又は一年以上にわたつてその目的のための行為をしないこと。
 当該宗教法人が第二条第一号に掲げる宗教団体である場合には、礼拝の施設が滅失し、やむを得ない事由がないのにその滅失後二年以上にわたつてその施設を備えないこと。
 一年以上にわたつて代表役員及びその代務者を欠いていること。
 第十四条第一項又は第三十九条第一項の規定による認証に関する認証書を交付した日から一年を経過している場合において、当該宗教法人について第十四条第一項第一号又は第三十九条第一項第三号に掲げる要件を欠いていることが判明したこと。

この中で主に2つの要因がある

ここでオウム真理教が解散を命じられた理由は主に2つです

著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為
宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと

解散命令を出すためには5つの要因の内、いずれか1つでも当てはまれば命令を出すことができます。

しかし、現実的には1つだけでなく複数の要因や一つの要因でも放置すると社会に影響が出るような状況でないと所轄庁も請求しにくいところがあるのではないかと思います。

更に「著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる」という基準は裁判所の判断になり、曖昧な基準とも言えます。

この件は地下鉄サリン事件という史上稀に見る重大な組織犯罪ですので、解散命令は妥当と言えます。


間接的で事実上のもの

ここで宗教法人の解散をすることで信教の自由が制限されたり、宗教活動に支障が出るのではないかという問題が出てきます。

裁判所は以下のような判断を示しています。

解散し、その法人格を失わせることが必要かつ適切であり、他方、解散命令によって宗教団体であるオウム真理教やその信者らが行う宗教上の行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支障は、解散命令に伴う間接的で事実上のものであるにとどまる。

要は宗教法人でなくても、宗教団体として布教活動はできますよね?

という話です。

たまに勘違いされる方がいるのですが、宗教法人でないと布教活動ができないと思われている方がいますが団体であっても活動は可能です。

究極的には一人でも布教活動はできます。その為、信教の自由には影響が出ることは多少あっても限定的です。

今後、解散命令は増える?

先ほどの宗教法人法81条を見た方で勘の良い方は気付いているかもしれません。

一年以上にわたつてその目的のための行為をしないことも対象になります。

ただ、厳密に所轄庁が活動状況を把握しているわけではなく、またその予算もないために不活動の宗教法人の解散までの手続きができないという状況の様です。

5年前の記事ですが週刊ポストでこのようなものがあります。

「NEWS ポストセブン」は小学館が発行する「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」「マネーポスト」4誌を統合したニュースサイトです。各誌の最新記事・コラム等をネット用に再編集し、掲載するほか他のニュースサイトにも配信します。

現状はより、把握が進んでいるもかもしれませんが、宗教離れが起きている昨今、休眠法人は増える一方でしょう。

休眠法人が増えると、解散命令が出せるかというとそういうわけでもありません。

そこは所轄庁でどれだけ予算が投入されるかという問題があります。

墓地の許認可権を持つ知事や市長は申請をする宗教法人の活動状況を所轄庁と連携して、活動実態のない法人が墓地を運営することのないよう、しっかり審査すべきです。