〔廃寺〕宗教法人解散とその後のお墓の守り方

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廃寺による宗教法人の解散

檀家減少、後継者不足で寺院が悲鳴を上げています。

産経新聞さんの記事で浄土真宗本願寺派が廃寺やその対策など独自の対応をしていることが話題になっています。

過疎化による檀家の減少や後を継ぐ住職の不足を受け、仏教系宗派で最大の信者数を持つ浄土真宗本願寺派(京都市下京区、本山・西本願寺)が富山県や島根県に支援員を配置し…

過疎化による檀家の減少や後を継ぐ住職の不足を受け、仏教系宗派で最大の信者数を持つ浄土真宗本願寺派(京都市下京区、本山・西本願寺)が富山県や島根県に支援員を配置し、寺の困り事相談や地域とのつながり強化を探る取り組みを始めた。廃寺にする際の手引も作るなど、末寺支援を本格化させている。(記事抜粋)

檀家減少、後継者不足の問題は浄土真宗本願寺派に限らず、仏教界全体に言えることです。

このような問題に対して対策をとる宗派は増えてきています。特に人口そのものが減少傾向になっている地方では深刻です。

檀信徒の数が仏教系で一番多いとされる宗派が末寺への対応に本腰になっていることはある意味でショッキングな事といえます。

今回は、宗教法人の解散手続きと廃寺後に墓地が残る場合の守り方を考えていきます。

任意解散と法定解散

寺院が廃寺となる場合、大きくは同じ宗派の宗教法人と吸収合併して解散する場合と、合併はせず財産を清算し解散する場合の2つに分かれます。

いずれにしても廃寺には解散を伴うことになります。

解散事由について確認していきます。

宗教法人法(解散の事由)
第四十三条  宗教法人は、任意に解散することができる。

 宗教法人は、前項の場合のほか、次に掲げる事由によつて解散する。

 規則で定める解散事由の発生
 合併(合併後存続する宗教法人における当該合併を除く。)
 破産手続開始の決定
 第八十条第一項の規定による所轄庁の認証の取消し
 第八十一条第一項の規定による裁判所の解散命令
 宗教団体を包括する宗教法人にあつては、その包括する宗教団体の欠亡
 宗教法人は、前項第三号に掲げる事由に因つて解散したときは、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。

解散する理由は大きく分けて、任意解散か法定解散の2つです。

任意解散は宗教法人が自主的に解散を決めること。法定解散は特定の事由に当てはまると当然解散しなければならないというものです。

檀家減少や後継者不足による解散になると一般的に任意解散になります。

そして任意解散をする場合は所轄庁に解散認証の手続きを取らなければなりません。この解散認証の手続きをしないといつまでも法人格だけが残り外形上、活動しているものと見られてしまいます。

活動をしていないならば解散をするのが最も妥当です。放置したままになると包括団体の監督責任も出てくるかもしれません。


放置は宗教法人売買の温床になる?

これまでに説明した解散手続きを放置するということは、寺院そのものを放置するのと同じことです。寺院には建物があり宝物があります。

建物は老朽化すれば倒壊しますし、宝物は管理する人がいなければ盗難に遭う危険性もあります。特に仏像の盗難は近年増えていると言われています。

管理できなくなった寺を放置すれば老朽化による倒壊の危険があるほか、他宗派では休眠状態の寺の宗教法人格が第三者に取得され、脱税などに悪用される事件も起きており、マニュアル化が必要と判断した。(記事抜粋)

そして極めつけは、宗教法人格が第三者に取得されてしまうことがあります。

〔宗教法人売買〕何のためにするのか?単立法人が狙われるわけとは
宗教法人が売られている 宗教法人の売買について耳にしたことはありますでしょうか? 検索サイトで「宗教法人 売買」と打てば宗教法人を売買仲介するサイトが出てきます。 実際に宗教法人を売買するとはどういう意味なのか? 今回はこのことをテーマにしたいと思います。 お断り 宗...

しかし、多くの寺院は包括と被包括の関係にあり宗教法人売買となる代表役員、責任役員の交代には包括団体(法人)の承認が必要があります。そのような寺則になっているところの方が多いはずです。

そのため、第三者による取得は一般的に考えにくい部分がありますし、仮にできても容易ではありません。ただ、一部の宗教法人では包括関係が宗制上、規則上弱いところもあり、その場合は包括団体も心配するところではあるでしょうか。

宗教法人を収益事業に利用するなどの悪用を行う者がいるのは確かです。

活動ができないのであれば、整理して合併するか、やむを得ない場合は解散手続きをすることになるでしょう。

もっとも、安易な解散ではなく後継者を探し、檀信徒の減少を食い止めるような施策を講じてやむを得ない場合の最終手段ということになります。

廃寺後の墓地どう守るか?

極論すると、残された檀信徒さんが団結することです。

一人では解決できないことですから、墓地使用者が集まっていろいろな知恵を出し合うしかありません。

以下に説明するのは、あくまで方法論ですので他にベストな方法があるかもしれません。

寺院が存在しないということは大半の負担が墓地使用者にしわ寄せがいくことを意味します。

当然ながら誰を経営者に据えるか、管理者にするかというのは行政サイドの判断もありますので全てが選択肢になるとは限りません。

自治会

寺院の檀信徒=地域の自治会住民という場合があります。

その場合は、墓地経営者を自治会にし管理者を自治会の構成員や自治会長を充てるという方法が考えられます。

地域で守っていくというスタンスです。

つまり寺院墓地から村落共同墓地化するという考え方です。公営墓地とはまた違います。


護持会・管理組合

前述のように檀信徒=自治会住民というわけにはいかないケースもあります。

その場合にお墓の護持会や管理組合を結成することも可能です。そこで従来通り寺院に納めていた管理料などを護持会に納め、運用していくという形です。

護持会や管理組合は法律的には権利能力なき社団という任意団体的なものになります。

この場合は経営者に関しては不在になりますが、管理者は行政との話し合いで護持会として届出できるかもしれません。

仮にできなくても実質的な管理者として墓地管理をして差し支えないでしょう。しかし、この場合は墓地、埋葬等に関する法律に関わる埋蔵(収蔵)証明書は発行できません。

一般社団(財団)法人

先ほどの、護持会や管理組合を法人化するという方法もあります。

株式会社が墓地管理をするというのは公益事業の性質上あまり薦められません。その為、護持会や管理組合の構成員を理事とする法人を立ち上げる

一般社団や財団にし法人として財産を持ったり法律行為ができるというメリットがあります。

同宗派の宗教法人による継承

もしかすると今後、宗教法人の合併が進む中で増加するかもしれません。

廃寺する前に予め受け皿があるケースです。ただし墓地、埋葬等に関する法律には国民の宗教感情に配慮することが求められているので、全く違う宗派の寺院が墓地を引き継ぐということは相当な理由がないと難しいでしょう。

地位の継承というのは手続きとしてまで確立はされていませんが今後ルールが整備されることを願っています。

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当事者を巻き込むこと

こういった廃寺による墓地問題というのは今後、増える予感がしますがこのような場合に重要なのは当事者を巻き込むことではないでしょうか。

責任役員(会)、総代(会)、本山、行政、石材店、そして檀家さん一人一人がこういう時に力を合わせないと解決ができません。

まず、受け皿になる寺院があるのか、次に大規模改葬の可否を検討し、無理であれば最低限管理者だけでも決め、どのような形態にするか(法人?任意団体?)。お互いの利害もありますが、有耶無耶になると一番困るのは墓地使用者です。

廃寺が問題になりつつある今、廃寺墓地についてもどのように対処していくのか問われています。