〔霊きゅう車〕許可が必要という話

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霊柩車にも許可が必要です

人の死に関わる事業には、行政の許可が必要なものが多いです。

このブログでも墓地や納骨堂、火葬場の許可に関係する記事を書いてきました。

「この業界は縛りが多いなぁ」と思われる方は多いかもしれませんが、実は葬儀業や散骨事業や送骨受入事業(NPO法人化の手続きは必要)、墓石業などは行政の許可がなくても開業できます。

勿論、中には組合に入らないと仕事がしにくいところもあるかもしれません。

その中で、意外と盲点になっている霊柩車のことが問題になりやすいです。

霊柩車は葬儀場から火葬場(土葬の場合は墓地)に移送する時に不可欠なものです。大抵は葬儀場が所有する霊柩車で運ばれることになりますが、それを行うには許可が必要です。

今回は霊柩車の運営に必要な許可について記事にしていきます。

どんな許可が必要なのか?

どのような事業許可が必要なのかということですが、貨物自動車運送事業法に基づく国土交通大臣の許可を受ける必要があります。

人を運ぶのであれば貨物ではなく旅客ではないか?という話があるのですが、人は亡くなるとこの法律では貨物の扱いになります。

そしてこの許可が取得されていない霊柩車のことを「白ナンバー」と呼ばれています。自家用車での貨物運送ということになります。

旅客運送許可がないのに自家用車でタクシー事業をしているのを「白タク」と呼ばれていますね。白ナンバー=無許可という意味で使われますが、白ナンバー=自家用車というのが本来的なところでしょう。

ただ、故人の家族や知り合いの方が無償で自家用車を利用して移送するというのは許可がなくても問題はありません。この場合は事業経営ではないからです。


パック料金で請求するケースも

悪質な業者の場合は、以下のような手法で搬送料金を受け取らないケースがあります。

業者の中には、利用者に搬送料金としては請求していなくても、他の葬祭費用と合計したパック料金として費用を請求、不正に利益を得ていたケースもあるとみて捜査を進めている。

(写真・神奈川新聞社)   無許可の霊柩車(れいきゅうしゃ)で遺体を運んだなどとして、県警交通捜査課と川崎臨港署が、貨物自動車運送事業法違反(無許可経営など)の疑いで、県内や東京都内の葬祭業者5社とその経営者ら5人を書類送検する方針を固めたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。このうち2社と経営者2人をすでに書類...

葬祭費用に含めたり、パック料金に含めて霊柩車の費用を明記しないというのは無許可事業者の可能性があります。

葬儀場で霊柩車を利用される方は葬儀費用と搬送費用の内訳を確認しましょう。逆に葬儀事業者の方はパック料金であっても内訳を極力示すようにする方がいいでしょう。

パック料金が悪いということではありません。脱法行為の指摘を逃れるための方法として設定することがいけないということです。

資格要件が厳しい?

実は霊柩車事業に限らずですが、貨物運送事業全般で運行管理者、専属運転者、整備管理者の設置が必要です。

特に運行管理者の場合は国家資格になり、近年、運行管理者試験の難易度が上昇しているようです。

試験を実施している団体の実施状況です(平成29年3月)↓

貨物の場合は合格率が約20%と10人が受験して2人しか受からない難関試験になっています。昨今、トラックやバスなどの貨物・旅客運送で大事故が度々起きた影響かと思われます。

因みに以前は合格率が40~50%台で2人に1人が受かる試験でした。

それだけ、霊柩車も運営する葬儀業というのが参入障壁が高まっているということでしょうか。霊柩車事業を行うのであればこれらの有資格者を採用するか、事業者が取得することになります。ただ、運行管理者と専属運転手は兼任できないので注意が必要です。

当ブログでは霊柩車についての許可要件については今後も取り上げるかもしれません。

墓地や納骨堂と同じく、霊柩車についても利用する方を保護する仕組みがあり、今後もその傾向は強くなるでしょう。

利用者が安心して利用できるよう事業者の法令順守が求められます。