〔新型コロナ〕24時間以内の火葬禁止が除外、原則火葬へ

新型コロナウイルスと24時間以内の火葬制限

久しぶりのブログ更新になります。

今年に入ってから新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、火葬の実務についても留意すべきところが出てきています。

新型コロナの問題が表面化してきた2月から3月にかけて、以下のページの閲覧数が増大しました。

〔臨終から火葬まで〕死後24時間以内の火葬が禁止されている理由と例外
死後24時間は火葬厳禁? 業界に身を置かれている方にとっては常識ですが一般には意外と知られていないことの1つとして死亡後24時間以内は埋葬、火葬が禁止されているというものがあります。 このルールは墓地、埋葬等に関する法律に明確に規定されています。 墓地、埋葬等に関する法律 第...

正確な理由は不明ですが、恐らく新型コロナウイルスの感染によって死亡した場合に感染拡大を予防する観点から、すぐに火葬をしてよいのか確認をされている方が多かったのではないかと思います。

残念ながらこのページでは具体的な記載はないのですが、葬儀事業に参入する業者が増えている中で、感染症の可能性がある死亡者の火葬に初めて直面されたことではないかと思われ、相当苦慮されたものと察します。

結論から言うと、新型コロナウイルスによる感染で死亡された方は24時間以内に火葬が可能です。

どういう理屈で可能になったのか?というところを今回お伝えしていきます。

原則として死後24時間以内の火葬はNG

基本的なことを押さえておきますと、墓地、埋葬等に関する法律という法律で明確に死後24時間以内の火葬を禁止しています。

墓地、埋葬等に関する法律(抜粋)

第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。

なぜこのような決まりがあるのかは諸説あるのですが、蘇生の可能性があることがまずあります。

ただ、これは今の医学の発達で死亡診断の精度が高くなっているはずで、そのことへの心配はないのではないかと思われます。

もう一つは国民の宗教感情に照らして、死後の別れを大切にすることから葬儀のため一定の時間を置くよう配慮しているとの考え方があります。

最近は死後、病院から葬儀場ではなく火葬場へ移送する直葬の形態が増えていますが、それでもまだまだ通夜、告別式を執り行い2~3日は時間を置くケースが多いのが実際のところです。

このように原則は禁止されている24時間以内の火葬ですが、例外となるケースが2つあります。

まずは妊娠七箇月に満たない死産です。

このケースでは法律上、火葬することが明確に許されているわけですが、妊娠7カ月でも8ヵ月での死産も通常の人と同じように別れの時間を持つなど実務上はすぐには火葬しないこともあり得ます。

次に、他の法令に別段の定があるときです。

この別段の定めというのがまさに今回、新型コロナウイルスによる死亡にも適用されたということなのです。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律があり、感染症により死亡した場合の死体の取り扱いについて定められてます。

感染症等により死亡した場合の24時間以内の火葬制限が解除されることになります。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(抜粋)

(死体の移動制限等)
第三十条 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体の移動を制限し、又は禁止することができる。
2 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、火葬しなければならない。ただし、十分な消毒を行い、都道府県知事の許可を受けたときは、埋葬することができる。
3 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。

しかし、この条文の中に「新型コロナウイルス」という名称が一切記載されていません。

何故なら、この法律ができた時には新型コロナウイルスのことは誰も知らないため当然です。

では、新しい感染症が出てきたらその都度法律で指定していくのでしょうか?

それをしてしまうと時間も手間もかかるため、法律である程度どのようなものが感染症であるか定めておいて、新たな感染症等が発生したら国が政令で指定することができる仕組みになっています。

このことを委任立法とか政令委任と呼ばれています。

そして、今年の1月28日に政令で新型コロナウイルスが指定感染症に定められました。

詳細は政令をご確認下さい。

政令によって指定されたことで死後24時間以内の火葬が可能になったということになります。

しかし、ここで気を付けたいのは24時間以内に火葬ができるようになったということで、必ず24時間以内に火葬をしないといけないということではありません。

そして、原則は土葬は不可で火葬をしなければならないということ。

但し、十分な消毒を行ったうえで都道府県知事の許可を得られれば土葬も可能ということです。

遺族感情への配慮も

新型コロナウイルスの感染によって亡くなられた著名人について、遺族が亡骸に対面できず早々に火葬され、焼骨となって帰ってくるということも耳にします。

死後は葬儀、火葬をするのが一般的ですが新型コロナウイルスによる死亡者の葬儀に対応していない葬儀社が多いのが実情です。

厚生労働省からは、「感染拡大防止対策上の支障等がない場合には、通常の葬儀の実施など、できる限り遺族の意向等を尊重した取扱をする必要があります」と呼び掛けています。

新型コロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)について紹介しています。

非透過性納体袋に収容、密閉することによって通常の葬儀が可能とのガイドラインもあります。

とは言いましても、現実には新型コロナウイルスによる死亡者の葬儀は断られる事例があるようです。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、これから患者が急増すると、日本でも本格的な「医療崩壊」が起きる可能性が指摘されている。感染爆発のニューヨークでは、遺体安置所不足、葬儀事業者の人手不足による「葬儀シ…

これは葬儀社職員の安全を確保するためということですが新型コロナウイルスは感染力があることからどのような葬儀が安全なのかまだ十分に浸透していなかったり、解明されてないことからやむを得ない部分もあろうかと思います。

この点は葬儀事例を重ねる中で、新型コロナへの正しい理解と対処方法が確立されていくことが期待されます。

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