〔代表役員と責任役員〕の代務者とは?置くべきケースや資格、選任のこと

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代務者は代表役員や責任役員のピンチヒッター

代表役員や責任役員にもしものことがあったらどうしますか?

役員も人間ですので亡くなることも病気や事故に遭って動けなることもあります。

役員の不在は事務決定に影響を及ぼしますので宗教法人にとって大きなマイナスになることがあります。

例えば、責任役員会を開催したいのに定足数を満たせない場合は会議が成立しませんし、代表役員がいないままでは法人として契約をしたり重要な決定ができなくなります。

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そのような場合を想定して、宗教法人法にはピンチヒッターとなる代務者を規定しています。

その前に、もし責任役員や代表役員について確認したい方は以下の記事を読んでみてください

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この記事で代表役員代務者や責任役員代務者について取り上げていきます。

どのような時に代務者を置くのか

ピンチヒッターと言う通り、どのようなピンチになれば代務者を置くことになるのか確認しましょう。

宗教法人法では以下のような該当事例を示しています。

宗教法人法 (代務者)
第二十条 左の各号の一に該当するときは、規則で定めるところにより、代務者を置かなければならない
一 代表役員又は責任役員が死亡その他の事由に因つて欠けた場合において、すみやかにその後任者を選ぶことができないとき
二 代表役員又は責任役員が病気その他の事由に因つて三月以上その職務を行うことができないとき

1項事由

通常、役員が死亡すればすぐに後任を選べるようにすることが最も最善なわけですが、実際のところ後任となるような有望な人材はある程度時間をかけないと現れないと言えます。

特に代表役員が若い場合は後任者を定めていないことが多く、また代表役員という責任のある役職に就くことの抵抗はあるはずです。

ここで「死亡その他の事由」のその他の事由とはどのようなものがあるのかというと「解任、辞任、任期満了」も含まれるものと解されています。

2項事由

さらに、病気などの事由で3ケ月間職務遂行ができない場合も代務者を置く必要があります。

この場合、病気以外の事由としては旅行も含まれると解されています。

宗教活動の一環として海外に布教活動や修行に行くというのは十分考えられます。

代務者の職務と退職

ではピンチヒッターである代務者はどのような職務を担うのでしょうか。

一言で言えば、代表役員や責任役員と同じ業務を行います。

宗教法人法 (代務者)
第二十条
2 代務者は、規則で定めるところにより、代表役員又は責任役員に代つてその職務を行う。

代務者は、通常の規則では置くべき事由がやんだときは、当然その職を退くことになります。

後任者が決まった、病気が治った、長期旅行から帰ってきたというような場合は退くことになります。

代務者の資格と選任

代務者ですがどのような資格が必要で、どのように選任されるのでしょうか。

代表役員の代務者と責任役員の代務者では変わっています。

まず代表役員の代務者は責任役員の中から就任するのが一般的です。

更に、死亡によって代務者を選任する場合は責任役員会で選任し、病気や旅行の場合は代表役員が責任役員の中から代務者を選ぶことになるでしょう。

そして責任役員の代務者については信徒のうちから代表役員が選任することになるでしょう。

解散命令の対象になる?

実は、代表役員及び代表役員代務者が欠けた状態だと解散命令が出る場合があります。

宗教法人法 (解散命令)
第八十一条 裁判所は、宗教法人について左の各号の一に該当する事由があると認めたときは、所轄庁、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、その解散を命ずることができる。
四 一年以上にわたつて代表役員及びその代務者を欠いていること。

一年以上も代表者が不在になると、所轄庁などが請求することで裁判所から解散命令が出ることになります。

そのため、代表役員が欠けた場合は速やかに代務者を選任できるような体制を組んでおくことが求められます。

さらに代表役員が長期不在になると、解散の前に宗教法人売買の対象とされたりとトラブルに巻き込まれる可能性が出てきます。

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