〔任意ではあるが大事?〕墓地使用管理規則ちゃんと定めてますか?

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墓地使用管理規則

私たちが墓地を購入する時に契約約款や使用規則などを目にする機会があるでしょう。その中身をちゃんと読んで申込書に署名捺印していますか?

例えばマンションなどの家を購入する時、不動産業者から重要事項説明と言って購入する際に知っておかなければならないことを説明することになっています。

しかし墓地の場合は不動産のように一つ一つの説明が義務付けられていません。各自で読まなければなりません。

今回はこの墓地使用管理規則(契約約款)について詳しく解説します。

規則と契約約款は厳密には別物ですが概ね類似した項目が多いので同じものとして解説していきます

墓地使用管理規則を定める必要性

墓地に関する規則をなぜ定めたほうがいいのか?又は購入の際に確認しなければならないのか、厚生労働省が出した墓地経営・管理の指針等についてのなかで以下のような指摘をしている。

墓の購入は、おおむね生涯に一度の経験であり、その費用は高額であるため、その契約は慎重かつ適正に行われることが必要である。しかし、実際には契約書が存在しなかったり、契約の内容が不明確であったりする事例もある。
その背景には、慣習等の曖昧なルールの中で墓地使用が行われてきたという実態があるが、当事者間の権利義務を明確に定めた文書が存在しないことにより、墓地の使用をめぐるトラブルが発生し、利用者が不利益を受ける事態も想定される。(II 墓地使用に関する標準契約約款 1 序論(1)本標準契約約款の趣旨 抜粋)

ここで最も重要なことはトラブル防止使用者保護の2点です。

特にトラブルは事業型、公募型の霊園といった多くの方が利用し管理者と使用者との関係が希薄になりやすいところで起こりやすくなります。そんな状況の中で使用者、いわゆる消費者を守る観点から曖昧なルールではなく書面にしてはっきりさせておくということに意義があります。

例えば村落共同墓地のような公営でも民営でもない自治会の墓地になると昔からの言い伝えでルールが決まっているところがあります。そのようなところはトラブルが生じやすい環境になっていると言えます。


どのようなことが書かれているか

墓地使用管理規則や契約約款は後々の紛争予防のために取り決められた大事な内容です。

まず参考に墓地使用権型標準契約約款という代々墓が承継されていくことを前提とした墓地に於いて、厚生労働省がこれだけは定めておいた方がいいですよというものがあります。その他は任意で追加することができます。

墓地使用権型標準契約約款

(第1条 目的)

約款が何を目的として定められたかを示す条項です。

(第2条 墓地の使用)

墓地使用者が墓地を使用する権利をどのような期間有するのか(無期限なのか30年、40年なのか)、また使用できるのはどの範囲か(もともと檀信徒か、これから檀信徒になるなればよいのか)を定めた条項です。

(第3条 使用料)

墓地を使用するにあたって支払う使用料のについて、いつ支払うのか、いくらなのかなど定める条項です。

(第4条 墓地の管理)

墓地の管理について、経営者と使用者がどのような役割分担で責任を負うのかを明らかにする条項です。

(第5条 管理料)

毎年の墓地管理料を支払わなければならないことや管理料の値上げについてのルールを定める条項です。

(第6条 契約の更新)

第2条で期限を定める方式を規定する場合、使用者が使用継続の意思を有し、管理料の滞納がない場合には墓地使用契約を必ず更新する「有期限更新制」を規定する条項です。

(第7条 使用者の地位の承継)

使用者の祭祀承継者が使用者の地位を承継した場合は経営者に届出を行うことを規定する条項です。

(第8条 使用者による契約の解除)

使用者側からどのような場合に契約を解除することができるか、その場合使用料や管理料はどのように扱われるかを定めた条項です。

(第9条 経営者による契約の解除)

墓地経営者がどのような場合に墓地使用契約を解除できるかを定める条項です。特に墓地管理料の未払いによって解除するケースが多いのでその点を詳細に定めておくとよいでしょう。

(第10条 契約の終了及びこれに伴う措置)

どのような場合に墓地使用契約が終了するかを明らかにするとともに、契約終了後における焼骨、墓石の取扱い等について定める条項です。

標準契約約款以外の条項

標準契約約款では管理が行き届かない部分は沢山あります。万能ではありません。追加で任意に定める必要が霊園によってはあるでしょう。その一例を紹介します。

墓地使用許可証のこと

使用料の支払いがあった場合に墓地経営者が墓地使用許可証を発行することや祭祀承継があった場合など許可証の名義書き換えに関する手続きを定める条項です。

還付条項

受領した墓地使用料や管理料など名目に関わらず、また理由の如何に関わらず変換しないことを定める条項です。

工事の承諾

墓地内での墓石建立工事など墓地管理者の許可が必要になる内容の条項です。

規則に定めがない場合

万能な規則というのはあり得ませんので、定めていない事項について法律の定めるところによるほか、その都度管理者が決めるという条項です。

墓地使用管理規則がない墓地がある?

宗教法人の墓地

衛生行政報告例で日本全国に86万カ所の墓地があるとされています。

そのうち宗教法人が運営している墓地は5万7000カ所です。そのうち墓地使用規則が定められていないのは寺院境内型墓地です。代々の墓地ですから慣習に頼って管理・使用をしているケースが多く標準契約約款に沿わない内容となっているところも多いです。

個人墓地

個人墓地は全国で約70万カ所あるとされています。厚生労働省の指針から個人墓地で規則を定めることを求めてはいません。

しかし複数の家が共同で使用したり分家して墓石が複数あるなど拡張が生じているところは標準契約約款の内容まで定める必要はありませんが管理上のルールを作ってくことに越したことはないでしょう。

墓地内の掃除は誰がするのか、管理上の責任者は誰なのかなど役割分担を決めておくのがよいでしょう。

もし規則がなければ今から定めよう

規則の必要性があるにも関わらず作らず放置するのはおすすめしません。

檀信徒と墓地経営者・管理者が一体となって規則作成をしましょう。トラブルが起こってからでは遅いです。訴訟や離檀などの問題が生じることもあります。

既にあってもそれが標準契約約款に沿ったものなのか、不備がないのかチェックすることも大事です。

まとめ

  • トラブル防止・使用者保護のため墓地使用管理規則(契約約款)を事業型墓地では定める必要がある。
  • 寺院境内墓地であっても必要に応じて見直し、作成をしましょう。
  • 標準契約約款は万能ではないため墓地環境に応じて随時追加しましょう。