〔諮問機関〕総代とは?墓地に対する影響

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総代とは

総代という言葉を聞いたことがありますか?

寺院に関わられている方は、宗教法人における総代を思い浮かべるかと思います。

今回のテーマはもちろんその総代が中心なのですが実際にはそれ以外にも多くの場面で使われています。

例えば、学校の卒業生代表という意味で総代という言葉が使われますし、組合などの団体の会員代表者のことを総代ということもあります。

更に、なにかしらの申請に対して行政が不許可処分にした場合などに対して、集団で審査請求をした場合、代表者が選任された場合は総代と呼びます。所謂、行政不服審査法11条における総代です。

つまり

総代=同じ目的を持つ集団の中の代表者

という意味合いで捉えても差し支えないでしょう。

では宗教法人の代表役員も代表者ですが総代とはどのような違いがあるのでしょうか。

代表役員と総代

代表役員や責任役員についてどのような役職になるかは以下の記事で解説していますのでよかったら読んでみてください

〔代表役員と責任役員〕どういう役職なのか
代表役員と責任役員 宗教法人を運営していると必ず代表役員や責任役員という役職名を耳にされる方は多いでしょう。このブログでも代表役員という言葉はよく使ってきました。 宗教法人運営をしていない方にとっては責任役員って何? という疑問をもたれるかもしれません。 宗教法人の運営を...

一言で言えば代表役員や宗教法人運営に対する事務総理をする執行責任者であるのに対して、総代は信徒における代表者ということになります。

また代表役員は法律で明確に役割が定められていますが、総代については各寺院が実情に合わせて設置するものです。

もし株式会社に例えるのであれば

代表役員は社長、総代は株主代表みたいなところでしょうか。

このように代表役員と総代は同じ代表でありながら立場が違います。

宗教法人法における総代とは

宗教法人法において「総代」という言葉は附則には一部あるのですが、具体的な記述はありません。

しかし、宗教法人を設立する際には、代表役員や責任役員とは別に宗教法人の機関として総代を設置することができます。このことは宗教法人法12条6項で確認できます。

もちろん、設立時に設置していなくても後から総代を設置したり、廃止することもできます。

宗教法人法

(設立の手続)第十二条

宗教法人を設立しようとする者は、左に掲げる事項を記載した規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受けなければならない。

五 代表役員、責任役員、代務者、仮代表役員及び仮責任役員の呼称、資格及び任免並びに代表役員についてはその任期及び職務権限、責任役員についてはその員数、任期及び職務権限、代務者についてはその職務権限に関する事項

六 前号に掲げるものの外、議決、諮問、監査その他の機関がある場合には、その機関に関する事項

議決機関、諮問機関、監査機関は法律上、設置は義務ではありません。

しかし、設置していれば責任役員が暴走するのを防止したり、歯止めをかけるブレーキ役になるという利点があります。一方で、宗教法人としての意思決定が迅速にできないことがあるのはデメリットになるでしょう。

また租税特別措置法40条の特例を受けるためには設置するということもあります。(この特例については機会があればいずれ記事にします。)

総代は法律的に見れば責任役員とは別にある機関で、宗教法人の運営に間接的に参画する機関と考えることができます。

そして一般的には責任役員と同じく、総代の員数は3名以上という寺院が多く通常は「総代会」として規則に定められています。

因みに、寺院の場合は「総代会」、イスラム教のモスクやキリスト教の教会などは「評議委員会」が多いでしょう。


墓地運営に対する総代の影響

総代は信者の代表者になるため、寺院が運営する墓地を利用されているケースもありえます。

そこで総代が墓地の運営にどのような影響があるのか考えてみます。

墓地の設置

宗教法人が新たに墓地という公益事業を行うことは檀信徒にとって大きな出来事です。

そのため、墓地を設置、廃止、拡張する場合は総代会の議決を行政が求めてくる場合があります。

責任役員会では墓地を運営したいが、寺院のお財布事情をよく知っている総代さんは反対するという構図はしばしばある話です。

墓地を造成するにも数百万、霊園のように大規模なものになると数千万かかる場合がありますので当然のことですが総代会での議決を得られないことで計画がとん挫することがあります。

管理料の値上げ

寺院が経済情勢の影響を受けて墓地管理料を値上げしたいと考えるケースがあります。

墓地管理料の使途や値上げに対する考え方は以下の記事でも紹介しています。

〔墓地管理料の使途〕値上げにどう対応するか、墓地管理料以外の収入とは
墓地管理料を考える 長年、墓地を使用していると管理料が値上げを経験されることがあるのではないかと思います。 例えば一カ月当たり1000円値上げされれば年間で1万2千円となり痛い出費になりますね。 ここまで上がらないにしても誰もが望まない管理料の値上げ。 一体どうして起こる...

管理料の値上げに総代会がNOと言えば、強引に値上げするのが難しいケースが出てきます。

総代会は檀信徒の代表ですから、寺院との関係が拗れると集団離檀というリスクがあります。

管理料の値上げは法的に総代会の議決が必要というわけではありませんが、総代の理解がないと事実上進められないということが多いでしょう。

総代が墓地管理に携わることも

寺院の仲には代表役員である住職が多忙ということがあり、墓地の管理を寺には任せられないという事情もあるでしょう。

そんな中で、総代が率先して墓地の管理を買って出るということがあります。

墓地の管理というのは墓地、埋葬等に関する法律の管理者としての役割よりも、清掃をするなど日々の世話を行うことで寺院に貢献することもあります。

自分たちの墓地は自分たちで管理する。という考え方が馴染んでいるところもあります。

総代はただ責任役員の業務をチェックする、総代会を開催するだけではない檀信徒としての模範になることも重要な役割なのです。

ただ、このような模範的な役割をされる総代がいれば、名前だけ総代に名を連ねているということもあり、宗教法人ごとに運用はまちまちです。

総代の資格とは 誰が総代になるのか

総代になる資格は宗教法人規則に定める必要がありますが、一般的に檀家名簿に載っている檀信徒になります。

檀信徒が多い寺院では総代になれる方をさらに限定しているケースがあります。

仲の良い檀信徒だけ総代になって欲しいという責任役員側の思惑もありますが、総代の資格を明確に規則で定めていれば特に問題はありません。

ただ、その場合は任期を3年にするなどしておかないといずれマンネリ化してしまい、諮問機関としての役割を果たせない可能性も出てきます。

規則に定めた資格者であれば誰でもなれますが、諮問機関として適性のある檀信徒を選任することが望ましいでしょう。

まとめ

宗教法人における総代は任意に設置することができ、設置することにはメリット、デメリットがあります。

総代は檀信徒の代表という立場になり、宗教法人の運営に対しても影響を持つことがあり、墓地の運営に関しても例外ではありません。

墓地の設置、廃止、拡張、管理料の設定の他、どのように墓地を運営していくかなど幅広く理解を得ないといけない場面があり、これは法律上の義務とは別に、総代を無視した運営は認められないでしょう。

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