〔宗教法人化〕宗教団体から宗教法人にすることのメリットとは

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宗教法人と宗教団体

皆さんの周りにある寺院や教会は殆どが宗教法人です。

意外と初耳な話だと思いますが、表札では「○○寺」と出ていて宗教法人かどうかは外見上分からないことがあります。

しかし実際は宗教法人です。宗教法人の場合、寺院名を名乗る際に宗教法人を付けることは義務とされていないからです。

一方で株式会社の場合はその商号に株式会社という文字を用いる必要があります。このことは会社法でも定められています。

会社法(商号)
第六条  会社は、その名称を商号とする。
 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。
 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

株式会社に比べなかなか目に見えにくいものの、大半の宗教団体が宗教法人化しているのですが、何故宗教法人化しているのか?

その主なメリットについてまとめました。

宗教法人化の恩恵

宗教法人法という法律では宗教団体が法人として運営するにあたっての様々なルールが定められています。宗教法人法の目的は以下の通りです。

宗教法人法 (この法律の目的)

第一条 この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。
財産所有と維持運用
目的達成のための業務と事業運営
法律上の能力

この3点が主な目的となっています。

日本にある大半の宗教団体はこの3点の恩恵を享受するために宗教法人化しています。中には「周りが宗教法人化しているからうちも」というところもあるかもしれません。

それであっても、これらの恩恵を受けることに何の損もありません。



法人名義で財産を所有できる

宗教団体でもし財産を所有するとなると個人名義になります。

例えば、預金であれば通帳名義は団体の代表者個人名になります。土地や建物の登記名義も個人名になります。

個人名になるということは、その団体の代表者が死亡し相続が生じた場合は団体の財産ではなく、その相続人のものになります。

相続人がその宗教団体の運営に関わっていればよいのですがそうでない場合は、財産が亡くなり宗教活動が続けられなかもしれません。

さらに相続税の問題も出てきます。

これらの問題は宗教法人化することですべて解決できます。

預金名義も境内地や建物の名義を宗教法人にできると代表者(代表役員)が死亡しても相続の問題はなくなり、継続して財産を所有して活動ができます。

墓地の経営主体になれる

宗教目的達成のための事業をすることは重要なことです。

その代表例が墓地や納骨堂といった公益事業です。特に寺院の場合は貴重な収入源になりえますし、布教の機会にもなります。

このような事業をしようとすると、宗教団体のままではできません。

厚生労働省の指針や各自治体の考え方は

「市町村等の地方公共団体が原則であり、これによりがたい場合であっても宗教法人、公益法人等に限る」(厚生労働省 墓地経営・管理の指針等について抜粋)

となっているため、まず宗教法人にならないと墓地の経営主体にはなれません。個人が経営主体になることは認められていないのです。

税制上の優遇

先ほど述べた墓地経営主体の話ですが、もし事業を始めるとなると土地の取得や納骨堂であれば建物を設置することになります。

その際に本来課税されるものが、申請することで非課税にできます。

〔要申請〕墓地や納骨堂の非課税手続き、後から課税されることもあります
墓地・納骨堂は非課税? 墓地や納骨堂でかかる税金を非課税にすることができるってご存知でしたか? 非課税か課税になるかの違いは宗教施設であるかどうかの違いです。ではどのような税金が非課税となるのか。 その前に、宗教法人は税制上優遇されているという批判を受けるかもしれません。 ...

また法人税についても、お布施は非課税です。

宗教団体になるとそもそも墓地の経営はできませんがお布施にしても、宗教団体の代表者個人の所得として処理されるので課税されます。

社会的信用

個人事業から株式会社と同じく、宗教団体から宗教法人になると社会的信用が付きます。

宗教法人は公益法人です。公益法人であるというだけで信用になります。公益法人はなかなか立ち上げが難しく行政から一定の実績が認められないと法人化できません。

宗教法人においても最低でも3年間、宗教活動の状況を所轄庁が見て設立できるか判断されます。

法人化しない理由が見当たらない

個人的な意見として宗教団体が宗教法人にしない理由は見当たりません。

個人事業主から株式会社化する時に葛藤するような次元でなく、宗教団体は迷わず法人になることが重要です。

しかし、先ほども触れましたが設立(規則認証)には時間が非常にかかります。布教活動をこれまで長く続けてきていて、財産があり、代表者が高齢である場合は将来的な相続問題を回避するため法人化を検討すべきです。

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