〔改葬の定義〕必要な記載事項や管理者の義務とは?

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改葬

墓じまいの話でよく出てくる「改葬」

改葬許可を得ないと墓じまいができない。

ということはよく耳にするところですが、改葬そのものについて細かいところまで抑えている方は少ないのではないでしょうか?

改葬許可をちゃんと得ずに改葬してしまった場合、稀ですが最悪30日未満拘留されるなど罰則を受けることがあります。

墓じまいを含む改葬が増加していることは統計でも明らかなとおりですが、増えているからこそどういうケースで許可を得る必要があるのか知っておくべきです。

この記事では改葬について基本的なことをお伝えします。

改葬の定義とは

一番分かりやすい説明は焼骨を移動させる行為そのものが改葬ということになります。

法律上の定義については以下の通りです。

墓地、埋葬等に関する法律 第2条

3 この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。

よく読んでみると意外と分かりにくい条文ですが、かみ砕いて説明すると実は改葬には5通り存在することが分かります

①死体を土葬した墳墓 ⇒ 別の墳墓

②埋蔵した墳墓 ⇒ 別の墳墓

③埋蔵した墳墓 ⇒ 別の納骨堂

④収蔵した納骨堂 ⇒ 別の墳墓

⑤収蔵した納骨堂 ⇒ 別の納骨堂

埋葬、埋蔵、収蔵 これらはどう違うの?という方は以下の記事で詳しく説明していますので読んでみてください。

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①についてですが当然ながら死体が全て土に還っている場合は死体そのものが存在しないので、改葬申請もできませんし許可も出ません。

要は改葬不可能(不要)になります。

後、焼骨を墳墓に埋蔵した場合に時間の経過とともに焼骨そのものが土に還ったり、なくなることもあります。

焼骨そのものがない場合も死体と同様に改葬が不可能(不要)です。

樹木葬の中には焼骨が土に還るような構造にしているところがありますが、こういった場合は改葬ができないということになります。

こういう事例は今やほとんどないのですが、一旦土葬された死体を火葬し別の墓地に埋蔵する場合は改葬許可が必要ですが、同じ墓地に埋蔵し直すという行為は墳墓の移転をするわけではないので改葬許可は不要です。

許可を受けなければならない根拠

もし改葬するということが決まれば死体や焼骨が存在する以上、改葬許可を受けなければなりません。

墓地、埋葬等に関する法律 第五条

埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。

実は改葬だけでなく、土葬や火葬をするときも市町村長の許可が必要だったりします。

それだけ焼骨や死体の移動というものが法律的に見て重要なものだということが分かります。

そして許可をする場合は改葬許可証を交付することになります。

墓地、埋葬等に関する法律 第八条

市町村長が、第五条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない。

この改葬許可証ですが所定の様式があります。

様式については墓地、埋葬等に関する法律施行規則に定められていまして、市町村長はこの規則の様式に基づいて改葬許可証を交付します。

この改葬許可を受けなければどうなるのか気になるところですが過去に記事にしたことがありますのでそちらを確認してみてください。

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改葬申請に必要な記載事項と添付書類

一方で改葬許可を得るためには死亡者の本籍、住所、死亡年月日などを記載しなければなりません。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則によると

死亡者の本籍、住所、氏名及び性別(死産の場合は、父母の本籍、住所及び氏名)

死亡年月日(死産の場合は、分べん年月日)
埋葬又は火葬の場所
埋葬又は火葬の年月日
改葬の理由
改葬の場所

申請者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者又は焼骨収蔵委託者との関係

これらを記載した申請書に、墓地又は納骨堂の管理者の作成した埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の事実を証する書面(これにより難い特別の事情のある場合にあつては、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面)が必要になります。

しかし、申請をする方が必ずしも墓地使用者とは限りません。

その場合は墓地使用者等の改葬についての承諾書やこれに対抗することができる裁判の謄本が必要になります。

更に、場合によって市町村長が特に必要と認める書類の提出を追加で求められることがあります。

改葬における墓地管理者の義務とは

改葬をする場合は、改葬元の墓地と改葬先の墓地の両方が必ず存在するわけですが、改葬先の墓地管理者は改葬許可証を受理しなければ、焼骨を受け入れることはできません。

これは納骨堂であっても同じです。

墓地、埋葬等に関する法律 第十四条

墓地の管理者は、第八条の規定による埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理した後でなければ、埋葬又は焼骨の埋蔵をさせてはならない。

2 納骨堂の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない。

3 火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない。

もし改葬先の墓地管理者が改葬許可証を受理しないままに、埋蔵をしてしまうと罰則を受けることがあります。

まとめ

改葬には5パターンあるがいずれも死体や焼骨の移動を伴うものであり、申請をし許可を受ける必要があります。

墓地や納骨堂の管理者も改葬許可証を受理しなければ納骨させることはできません。

墓地使用者のみならず管理者もこの許可を得なければ罰則を受けることがあり注意が必要です。