〔無縁墳墓改葬〕許可取得後は即改葬すべき?

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無縁墳墓改葬手続後の話

無縁墳墓とは誰もお参りに来ない、墓地の管理料の支払いがない、使用者が分からない墓地のことです。

これらの多くは祭祀承継ができなかった、絶家したといった結末となった墓地が大半です。

無縁墳墓については以下の記事をご確認下さい

〔無縁墳墓とは〕管理料の未払いが続くこと?
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無縁墳墓については墓地、埋葬等に関する法律施行規則3条に「死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂」という表現で定義されています。

適切な手続きによって改葬許可を得た後、埋蔵された焼骨をいつまで、どのように扱うかという問題があります。

これについては、墓地運営者によってそれぞれ考え方があり対応も画一ではありません。

今回は無縁墳墓改葬許可後、焼骨に関する管理について記事にしていきます。

無縁墳墓改葬許可後のルールは特にない?

実は墓地、埋葬等に関する法律にも墓地、埋葬等に関する法律施行規則にも、許可後、焼骨をどうすべきかという決まりはありません。

そこで、自治体の条例はどのようになっているかですが、一部例外を除いては申請者(墓地経営者)任せになっています。窓口によっては指導をしてくれる場合もありますが焼骨のとあり扱いは宗教感情に直結する場合があるので、一般論的な話に留まるでしょう。

改葬申請をする際に「改葬先」を記入する欄があるのですが、これも特段の指定はありません。(墓地、埋葬等に関する法律10条の許可が取得されている場所という最低条件はあります)

どこに改葬をするかは各宗教法人の事情に応じて対応するとになりますが、改葬先としては合葬墓や納骨堂が多いと思われます。

そして、焼骨は骨壺に入れて管理すべきか、他の遺骨と一緒に埋蔵(合祀)してしまうかという問題、更には管理はいつまでか、合祀はいつするのかというところも判断に迷う部分があります。

焼骨の引き取りが稀にある

無縁墳墓改葬をしてから、稀にですが親族や祭祀承継者から焼骨を引き取りたいという申し出があるようです。

そのような申し出があっても土に還ってしまい引き渡せない場合もありますが、カロートに骨壺で埋蔵されていたのであれば、骨壺のまま納骨堂に収蔵しておくか、合葬墓でも骨壺のまま埋蔵しておくのが無難でしょう。

もちろん、無縁墳墓が出てくる前提でそのような納骨堂は設置していないというところも多いと思われますので可能であればということになります。

骨壺はいつまで管理すべきか

墓地を更地にした後、焼骨はいつまで管理すべきなのかという問題があります。

これには答えはありませんがいくつかの考え方があります。そのうちの2つを紹介します。

慣習上の考え方

慣習上、30回忌、33回忌、50回忌というのが故人の祭祀でにおいては一種の区切りになります。

納骨時期から起算してこれらの区切りが経過していれば合祀してもよいという考え方があるでしょう。

どの回忌を区切りにするかは各宗教法人ごとの考え方でよいと思われます。

民法上の考え方

焼骨を物と捉え、取得時効という観点で、焼骨の所有権が20年経過すれば墓地運営者のものになるという考え方もあります。

民法(所有権の取得時効)

第162条

一 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。

しかし、これには焼骨を物として捉えることに対する違和感と、遺骨の所有権は原則として祭祀承継者であることを踏まえると批判があるのは事実です。

慣習上と民法上の考え方を両方満たした、30回忌が無難なのかもしれません。

無縁墳墓化は予め想定しておきたいが…

慣習上、民法の考え方は両方正解であり間違えでもありません。

ただ、焼骨を合祀するかどうかは承継者が判断すべきで、墓地運営者ではしにくいという心情は強いものと察します。

やはり、予め墓地使用規則や契約約款で焼骨の管理期間を定めておくことが重要ではないかと考えられます。

今からでも規則に盛り込み、将来的な無縁墳墓化に備える対応をしておいた方がいいでしょう。

しかし、このような対応をしていない中で無縁墳墓の改葬をしようとすると焼骨の管理をどうするかという問題が常に生じることを念頭に入れないといけません。

檀信徒の皆さんと相談しながら①慣習上の回忌を重視する②取得時効を重視する③許可が取れれば即、合祀するか…

難しい判断ですが、各墓地で判断基準を持つことが重要なことと言えます。