〔無許可改葬〕許可なく改葬するとどうなるか

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改葬許可はなぜ必要なのか?

既にお墓や納骨堂に埋蔵、埋葬、収蔵された遺骨や遺体を別の別の墓地や納骨堂に移すことを改葬と呼びます。

改葬は墓じまいの手続きをされた方にとっては聞き覚えがある言葉かと思います。

以前、分骨との関係で記事にしたことがありました。

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この改葬をする場合、市町村長から許可を取得してからしなければなりません。

ではその許可を取得せずに改葬をしてしまった場合どのようなことになるのか。

今回は無許可改葬にいて考えていきます。

墓地、埋葬等に関する法律から

改葬に許可が必要となる根拠は以下の条文です。

墓地、埋葬等に関する法律

第五条  埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない
 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。

改葬は改葬許可申請をすることで許可を取得することができます。

なぜこのような手続きが必要なのかというと諸説あるわけですが、埋葬(土葬)されたものを他へ移すという話であれば衛生面での取り締まり的意味合いがありますし、焼骨の移転であれば遺骨の所在をある程度行政が把握するという意味もあります。

要は改葬に許可が要らないとなると、遺骨を墓から勝手に取り出し、勝手に引っ越しをすることを容認してしますことになります。

遺骨に対する無秩序な行動を放置するのはよろしくありません。

自由な遺骨の移動は日本の宗教感情とは相いれない部分がありますので、遺骨の取り扱いには敬意を払う必要があります。

この条文が機能している一つとしては、手続き的に難しくなく、申請すればよほど問題がない限りは許可されるところで、これまで大きな問題なく運用されています。

ではこの手続きを面倒だから、知らなかったからなどで怠った場合はどうなるのでしょうか?

改葬申請を懈怠した場合の罰則等

墓地、埋葬等に関する法律違反

まず墓地、埋葬等に関する法律から見ていきましょう。

第四章 罰則

第二十一条  左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 第三条、第四条、第五条第一項又は第十二条から第十七条までの規定に違反した者

以上から千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処せられるということになります。

しかし罰金の金額は刑法と罰金等臨時措置法で「1万円以上2万円以下」に引き上げられているため、墓地、埋葬等に関する法律の罰則と実際は違っていることは注意が必要です。

拘留については以下のサイトが参考になります。

拘留(こうりゅう)とは、日本の刑罰の種類の1つで「1日以上30日未満」の間、刑事施設に収監する刑罰です。

刑法に抵触する場合もある

改葬許可を得ずに改葬をした場合、刑法上の問題が生じるかもしれません。

(墳墓発掘)

第189条

墳墓を発掘した者は、2年以下の懲役に処する。

これを墳墓発掘罪といいます。

他人のお墓に限らず、身内のお墓でも改葬許可がなされていない以上はこの罪に問われる場合があります。

どのような発掘が対象になるかは以下のサイトが参考になります。

特に土葬されている墳墓を掘り起こして遺体を取り出す場合は発掘したことが発覚しやすいので罪に問われやすいでしょう。

とはいえ、土葬は全体の1%にも満たない状況ではあります。

因みにこの罪に問われると、2年以下の懲役になります。

無許可改葬とはまた違う次元ですが墓荒らしももちろん同じ法律に問われます。

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通常は無許可改葬は起こらない

今は遺骨に対する尊厳があり、道徳心のある人が大多数ですので勝手にお墓から遺骨を取り出すことはしません。墓地管理者に一度相談するのが普通です。

墓じまいをするため新たな墓地を求めた際、墓地の管理者や墓石店の営業職員から手続きの説明を受けるはずですので通常は起こらないはずです。

しかし、個人墓地など監視の目が行き届かないお墓で墓じまいをしようとする場合などはそのような問題が起こらないとも限りません。

墓地管理をされている方においては、宗教上の遺骨の考え方と法律で規制されるところをしっかり使用者に説いていくことが必要になると思います。