海外で死亡し火葬された方を日本の墓地に納骨することはできるのか

Pocket

海外で火葬された家族を日本の墓地で供養したい

これから墓地の購入を考えている利用者にとっては購入する前にまず誰を納骨するかというところは重要なことです。

その中に、海外にある焼骨を日本で納骨することを考えている方がいらっしゃるかもしれません。

または海外で亡くなった家族のために墓地や納骨堂などを購入するというケースもあるのではないでしょうか。

墓地の販売に関わられている方にとっては「墓地は購入したいけど海外からの遺骨は納骨できるのか?」「どのような書類が必要なのか」という質問を受けることがあるかもしれません。

そのような場合、どのように説明すればいいのか海外で火葬されたことを前提に記事にしていきます。

※海外で死亡後火葬せずに日本で火葬する場合については除きます。

結論から言うと

どのようなケースであっても「納骨はできますので安心して墓地を購入してください。」というのが正解です。

しかし、それぞれに対応方法が違いますので注意が必要です。

海外の火葬証明を受けられる場合

海外から焼骨を日本に持ち込み、日本の墓地や納骨堂などに納骨することは可能です。

ただ必要な書類があります。

それは海外で火葬されたことを証明する書類です。

ですので実際に火葬されたことを証明できる書類を火葬されたときなどに取得しておきましょう。

もし取得できない場合は再発行してもらうなど手配が必要になるでしょう。

そして現地で入手した証明書類は、その国の言語で書かれていますので翻訳が必要になります。

墓地管理者の方が受付できるように翻訳事務所等に依頼しましょう。

火葬証明に対応していない国は?

ではそのような証明書の発行に対応していない国で火葬した場合はどうすればよいでしょうか?

その場合は現に焼骨がある自治体で本法施行地外で火葬したことの事実を証する書類を取得した上で、この書類を埋葬(埋蔵)証明書と取り扱い改葬許可申請をすることになります。

この火葬したことの事実を証する書類ですがこれを取得するには自治体に問い合わせていただくことになるかと思います。

海外での戦死者であれば戦死公報を確認する、戦死ではなく海外で事故や病死をした場合は火葬の証明は出来なくても、死亡したことが証明できる書類があればそのような資料も証明に有力な情報になるでしょう。

まとめると

海外で火葬されたことを証明できる書類があれば翻訳してもらい墓地管理者に提出し納骨が可能です。

しかしそのような制度がなく証明書を取得できないケースは自治体に火葬の事実証明を受けたうえでその証明書を埋葬(埋蔵)証明書とみなして改葬申請を行い許可取得後に納骨することが可能です。

いずれにしても納骨をされる墓地管理者又は焼骨がある自治体の窓口で相談が必要ということになります。

海外は日本の法律が適用されない

日本では墓地、埋葬等に関する法律があり日本中の火葬場や墓地、納骨堂でこの法律による規制を受けます。

しかし、当たり前ですが海外に出てしまうと日本の法律ではなく現地の法律に左右されます。

日本と同じような法律を定めていればよいのですが…そうでないケースもあり得ます。

そもそも墓地に関する法律は定まっていないということもあるかもしれません。

そのようなケースでは墓地、埋葬等に関する法律が想定していない状況と言えますが、日本の墓地行政は柔軟な対応をしていると言えます。

この柔軟な対応ができている根拠としては国からの通知が元で運用されています。

兵庫県と国の照会と回答から

兵庫県から国に対し海外から持ち帰った火葬許可も改葬許可もない遺骨を日本の墓地に納骨をする際に疑義が生じ照会をかけた回答で示されています。

本件は戦死者の焼骨を日本で納骨したいという要望に応えるものでした。

改葬許可の取扱について

(昭和三〇年一〇月二四日)

(兵防第五一九四号)

(厚生省環境衛生部長あて兵庫県衛生部長照会)

右のことについて神戸市東灘区長より左の通り照会がありましたのでこれが取扱いについて何分の御回報願いたく照会いたします。

左記申請人は昭和二十一年七月一日満洲よりの引揚者にして現在神戸市に居住しており、在満当時に死亡せる親族の焼骨を持取り(死体埋火葬許可証、改葬許可証なく)現在まで自宅に保管し、今度東京都台東区谷中墓地に埋葬するに当り谷中墓地管理者より改葬の許可証の提出を求められ当区役所に証明方申請せるものですが、現に埋葬もせず納骨もしていないのであり埋葬又は納骨の事実を証する者がないのであり、したがつて改葬許可の根拠がなく而るに焼骨をそのまゝ自宅に保管しているものを東京都の墓地へ埋葬することは改葬とみなされないものと思料されるのでありますが、たまたま申請者の近親者(福岡市居住)において、これと同じケースで許可証の交付を受けた事例がありますので、これが取扱いを如何にすべきか。

死亡者の本籍氏名、東京都文京区湯島新花町△△ 〇〇

死亡場所 年月日 奉天市稲義町四 昭和〇年〇月〇日

改葬の場所    東京都台東区〇〇墓地

申請者住所氏名  神戸市東灘区本山町岡本 〇〇〇〇〇(死亡者との続柄父)

類似ケースにおいて既に福岡市の方で改葬許可が出ているという先例があったということですが、長年、手元供養していることから改葬という定義には当てはまらないという考え方もできます。

これに対する回答は以下の通りです。

回答

(昭和三○年一一月一五日 衛環第八四号)
(兵庫県衛生部長あて厚生省環境衛生課長回答)
昭和三十年十月二十四日兵防第五、一九四号をもつて、環境衛生部長あて照会のあつた標記の件について、左記のとおり回答する。
引揚者等であつて、本法施行地外で火葬した焼骨を持ち帰つた者が、その焼骨を埋蔵又は収蔵するための許可を申請した場合に、火葬を証する書類のないときは、特殊の事情による特例として改葬の手続により取り扱われるよう考慮されたい。その場合には、焼骨の現に存する地の市町村長は、本法施行地外で火葬したことの事実を証する書面を発行し、これを以て墓地、埋葬等に関する法律施行規則第二条の墓地若しくは納骨堂の管理者の証明に代え改葬の許可を与えられたい

海外での死亡については特例という立場をとっています。

日本で死亡した場合と海外で死亡した場合で取り扱いが違うと大きな問題になるため、墓地、埋葬等に関する法律に馴染まない部分は黙認しながらも、柔軟な対応が認められたということになります。

ただ、冷静に考えれば海外で発行された証明書が日本の法律に合わないからと言って採用しないのは外交問題に発展しかねない話ではあります。

本法施行地外で火葬したことの事実を証する書面

ただ、一つ気になるのが海外で火葬証明を受けられなかった場合に自治体が発行する「本法施行地外で火葬したことの事実を証する書面」はどのような手続きにより取得できるのかというところまでは分かりません。

実際にこのような事例が少なく書面交付に至らないか、運用ルールはあっても表に出てこないということではないかと思われます。

実際にこの書面を交付するにあたっては無条件に発行するということはないと考えられ、何かしらのエビデンスがないと難しいのではないでしょうか。

少なくとも海外で亡くなったという事実が分かる資料(死亡診断書など)や葬儀に立ち会った人の証言など、火葬代金を支払った際の領収証などになるでしょう。。

制度悪用を避けるために信用性を担保できる資料の提出が求められると考えられます。

シェアする

フォローする

この記事についてもっと聞きたい、ご意見などありましたらLINEで友達追加をしていただき個別にお問い合わせ頂けます。

友だち追加