〔墓地の名義貸し〕どれだけお金を積まれてもリスクしかない!その理由は?

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宗教法人の墓地名義貸し

「違法ではないが不適切な…」という言葉は昨年、よく耳にしたかもしれません。

墓地の経営においても違法性はなくても明らかに不適切なことというのは沢山あります。

その中で代表的なものは何かと言われれば迷うことなく「墓地経営者の名義貸し」と答えるでしょう。

実は、この名義貸しですが違法ではないというくだりからもお気づきの通り法律や条例で取り締まりがなされていません。

実際にできないというのが現実ではあります。

墓地が破たんする要因については1月にも記事にしましたが、その中で第三者の経営介入というのがあります。

周囲の方が墓地経営を支えるということは悪いことではありませんが、経営そのものを代行したり支配してしまうと名義貸しと指摘されるかもしれません。

実は名義貸しというのはリスクしかありません。

どれだけお金を積まれても名義を貸してはいけないのです。今回はその理由について記事にしていきます。

こんなお話があったら断れますか?

ある人(Aさん)から宗教法人の代表役員(Bさん)にこんな話を持ち掛けました。

A 私が所有している土地を有効活動したい。立地的に墓地が一番いいと思うんだ。ただでとは言わない。名義料としてまとまったお金を支払うので宗教法人の名義を貸してくれないか?

B いくらで貸すというのかね?

A 3000万円でどうだい?

B …。

A 絶対に迷惑はかけない。長い付き合いだろう?

B 分かった。協力しよう。ただ、絶対に迷惑が掛からないように約束してくれる?

A もちろん。約束する。

分かりやすくするためにいろいろな部分を省略していますが、こういったやり取りは実際に起こったことです。

そして、その後多くの墓地使用者を巻き込み、墓地経営が破たんしたという顛末です。

もちろんこの宗教法人の社会的信用は失墜してしまいました。

こういった事例は多数あるのですが、中には宗教法人として破産するケースもあります。

社会的信用はお金では買えない、事実はお金では消せない

社会的信用を失うということの重大さが目先の名義料で見えにくくなることは確かにあります。

このブログを読まれている宗教法人の代表役員さんや責任役員さん、関係者の方がもしこういった話が来た時に冷静に考えないといけません。

宗教法人というのは公益法人ということで、誰でも立ち上げができる株式会社と違い社会的信用や実績が積み重なって認証を受けた法人です。

基本財産が法人の根幹にあるという考え方もできますが、宗教法人の場合は教義や社会的信用が最も重要な財産といっても過言ではありません。

それが名義貸しをして発覚した場合はこれまでの実績が全て水の泡になります。

発覚しない自信があるのであればいいのでしょうが、墓地には永続性が求められます。

未来永劫、発覚しないというということはあり得ず、必ず何かのきっかけで表に出てしまいます。

そしてその事実はどれだけお金があってもなかったことにはできません。

厚生労働省の指針から見る名義貸し

名義貸しの定義がいまいち曖昧という話もあります。厚生労働省から以下のような事案が紹介されています。

寺院(宗教法人)に対して石材店等の営利企業(仮にA社とする。)が墓地経営の話を持ちかけ、この寺院はA社より資金その他について全面的なバックアップを得て墓地経営の許可を受ける。ところが当の寺院は墓地販売権を始めとした墓地経営については実質的に関与しない取り決めがA社との間で交わされている。そしてA社は墓地使用権とともに墓石を販売して多大な収益を得るが、これは一部を除いて寺院の収入とはならない。しかしながら、使用者とのトラブルについては、最終的な責任者は寺院にあるとしてA社は責任を回避する。そして、運営の安定性を欠いたままで、後には資金力のない寺院と墓地だけが残る、といったような事例(厚生労働省 指針抜粋)

この場合、話を持ち掛けるのは墓石業者に限ったことではありません。

不動産業者もあり得ます。

いずれにしても、宗教活動の一環として墓地経営の許可を取得するべきであって、話を持ち掛けられた側の宗教法人はこのことを認識する必要があります。

宗教法人が主体的な運営を行うべき

名義貸しはすべきでない理由についてこれまで述べましたが、宗教法人以外の関与を一切認めないという主旨ではありません。

経営の丸投げがNGということであって、墓地経営に関して宗教法人が意思決定をするのであれば、他社が経営に口を出したり援助するというのは認められるでしょう。

むしろ、周囲の協力がなければ墓地経営が成り立たないということもあります。

行政サイドも墓地経営を許可する際にどのような運営がなされるか、実質的な裏の経営者が存在しないかなど事前協議の中で注意深く見ていくことが求められますし、宗教法人側は名義貸しの話が来た時に断れる勇気を持っていただきたいと思います。

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