〔ペット霊園〕設置するために必要な要件とは

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ペット霊園のトラブルから

ペット霊園がペット愛好家の間で利用されています。

愛犬、愛猫など身近に過ごした動物が亡くなれば手厚く弔いたいというのは人間の性です。

しかし、実はまだまだルール整備が行われているとはいえません。

人が利用する墓地や納骨堂ですらルールは大分整ってきたとはいえトラブルが絶えない状況ですが、ペット墓地に関しては未整備であるが故の問題が度々発生しています。

最近の問題では、大阪の枚方市でペット霊園が利用者への告知もなく閉園し問題になっています。

実はペット霊園を規制する法律は現時点ではありません。

一方で自治体ごとに条例を制定し許可制という形で運用されているところが増えています。

このような問題に対応してか枚方市では条例制定に向けた手続きが進んでいるようです。

大阪府枚方市は、ペット霊園の設置を許可制、廃園を届け出制とする規制条例を制定すると発表した。墓地や火葬施設にも構造基準を設け、事業者への立ち入り調査や指導を可能…

このような問題が起きてからでないと、対応できないのが現実ですがペットの死体とはいえ人間と同じく埋葬すると場合によって異臭を放ちますし、衛生上の問題もあります。

今回はこのような問題を踏まえて既に条例を制定している自治体のペット霊園設置基準を取り上げ考えていきます。

まず定義について確認

ペット霊園

設置基準について考える前に条例ではペット霊園をどのように定義しているか確認しておきましょう。一般的に条例で以下のように記載されています。

ペット霊園 ペットの墳墓納骨堂若しくは火葬設備を有する施設又は
これらを併せ有する施設をいう。ただし、専ら自己の利用に供する目的で
設置するものを除く。

墳墓、納骨堂若しくは火葬設備を有する施設ということで人間用の火葬場の概念がペットの場合はペット霊園として一括りにされているのが分かります。

墳墓だけでも霊園ですし、火葬設備を有する施設のみでもペット霊園になるということです。

しかし但し書きに書かれているように専ら自己の利用に供する目的で設置するものは除外されています。

つまり、自宅で飼っていた愛犬が亡くなり庭にお墓を作るような場合はペット霊園とは言いません。

一方で不特定多数の方から事業としてお墓を多数作っていくようなものはペット霊園となり、ます。

墳墓、納骨堂

さらにペット霊園で定義されている墳墓と納骨堂の定義も確認していきます。

墳墓 ペットの死骸(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年
法律第137号)第2条第1項の廃棄物に該当するものを除く。以下同じ。
)を埋葬し、又はペットの焼骨を埋蔵する施設をいう。

墳墓の場合は人間の場合と同じく埋葬と埋蔵ができる施設という定義になります。

ただし、埋葬に関しては禁止されている自治体が多いため実際には埋蔵のみ許されていると言えるでしょう。埋葬は土葬のことで埋蔵は焼骨を納骨することになります。

より詳しい違いについては以下の記事も参考にしてみてください。

〔埋葬と埋蔵と収蔵の違い〕ご存知ですか?墓地、埋葬等に関する法律から解説
埋葬と埋蔵と収蔵 埋葬と埋蔵と収蔵、実は意味が全く違うということをご存知でしたか? このブログでも埋蔵と収蔵に関しては厳密な使い分けはしてこなかった経緯がありました。 というのはどちらも広い意味で納骨という意味だからです。 そこに厳密な使い分けをする必要性を感じませんでし...

納骨堂 ペットの焼骨を収蔵する施設をいう。

納骨堂も火葬したペットの焼骨を収蔵する施設ということになり人間の場合と定義は同一です。

ペット霊園の設置基準

一般的に以下のような基準を満たすかどうかが審査されます。

自治体によりこの辺りは画一的ではないのでもし設置する際は必ず確認しましょう。

(1)ペット霊園を設置する場所は、周辺地域の公衆衛生及び生活環境を損ね
ることのない土地であること。

(2)ペット霊園内に、管理事務所、便所、ごみ集積設備、給水設備、排水設
備、ペットの死骸を保管する設備(ペットの死骸を取り扱う施設に限る。
)及び近隣の交通の支障とならないよう必要な駐車施設を設けること。

(3)墳墓は、ペットの焼骨を埋蔵するものであること。

(4)ペット霊園の境界内側に当該境界から墳墓が見えないように障壁又は樹
木の垣根等を設けること。

(5)ペット霊園内に適当な緑地を設けること。ただし、建物の一部又は全部
を使用して納骨堂のみのペット霊園を設置する場合を除く。

(6)ペット霊園内の通路は、アスファルト、コンクリート等で築造し、その
幅員は、〇〇メートル以上であること。ただし、建物の一部又は全部を
使用して納骨堂のみのペット霊園を設置する場合を除く。

(7)雨水及び汚水を適切に排水できること。

(8)納骨堂は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第7号に規定する耐
火構造とし、納骨装置は不燃材料を用いること。
イ 出入口及び納骨装置は、鍵のかかる構造とすること。

以上のような基準を見ると人間用の墓地と遜色がないほど厳しいものとなっていると言えます。

この基準の中で(3)の墳墓について焼骨を埋蔵するものという要件があります。

これは上で説明しましたが埋葬は禁止されているという意味合いになります。

埋葬用の墓地は許可が出ないということになり、明確に禁止はしないものの実質的に禁止していると言えます。

施設の基準以外にもハードルがある

ペット霊園の施設基準というのははっきり目に見えるものですが、それ以外にも要件はあります。

その一つに墓地の設置に際して説明会を開催するというものです。

説明会を開催すれば当然、賛否に関する意見や質問が出るので、それに対する回答をする必要があります。

近隣住民とのやり取りや説明会の実施内容については行政に対して報告をすることになります。住民同意や説明会に関しては以下の記事でも触れています。

〔墓地の設置〕住民同意は必要なのか?住民説明会後にすべきこととは
住民同意の要否 墓地に限らず納骨堂や火葬場が近隣に計画されていると分かったら皆さんどのように感じますか? お墓好きな私としては個人的に歓迎します。 近くに墓地ができればそこを利用する可能性が高いからです。 墓じまいが進んでいる昨今、墓参しにくい場所というのは敬遠されます。...

重要なのは住民の同意ではなく、説明責任を果たせたかということです。

もちろん同意があるに越したことはありませんが、どのようなペット霊園にするのか、どのような運営をしたいのか、昨今のトラブル事例に対してどう考えているのかなど。ある意味で姿勢が問われているのかもしれません。

事業主体は?

ペット霊園の場合は人間の墓地の許認可と違うところがあります。

それは事業主体が宗教法人などの公益法人でなくても可能なケースがあるというところです。一部の自治体では一定程度、事業者の資格を絞ることがあるわけですが、一般的には株式会社や個人事業で行うことも可能です。

そもそもペット霊園というのは営利的なものです。もちろん人間の墓地と比べてです。その為、宗教法人でなくても許容されるという考え方になるのでしょう。

まとめ

ペット霊園の施設基準は人間用の墓地と比較しても要件は多岐に亘ります。

施設基準に限らず手続きの流れ説明会の開催もある。

ペットの土葬は条例で間接的に禁止されており、火葬をし埋蔵をするか収蔵をすることになる。

事業主体については株式会社などの営利法人でも個人事業としても可能な場合がある。

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