〔ペットの葬儀と納骨〕宗教法人が行うと収益事業?ペットの納骨を拒否される場合も

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ペット業界が賑わっているが…

空前のペットブームと言われていますが、このブームはペットの葬儀や墓地にも広がっています。

最近よく話題になるのは宗教法人がペットに関連する事業に参入するケースです。

しかし宗教法人がペット向けの宗教活動を行うことは自由でも、そこで得た収益の扱いは人とは異なる性質のものになります。

ペット事業に対して課税されるか否かという話が問題になるようです。

また、ペットと一緒にお墓に入りたいという飼い主の強い希望が墓地管理者を困惑させるケースもあります。

今回はペットに関する葬儀や納骨のことについて幅広く取り上げていきます。

法人税法2条13号の収益事業になる理由

よく勘違いされることですが宗教法人が行う事業は例外なく非課税というわけではありません。

宗教法人でも収益事業を行った場合は法人税が課税されます。

では収益事業とは法人税法上どのような定義なのでしょうか。

収益事業

販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいう。

法人税法2条13号にこのような記述があります。

施行令ではペット葬祭業は物販販売業、倉庫業そして請負業の事業に該当するとされています。

課税処分を受けた事例

実際にペット葬祭事業を行っていた宗教法人が税務署から課税処分を受けた事例があります。

さらに最高裁判所でその課税処分の可否についても判例が残っています。

この宗教法人ではペット葬祭業をパンフレットを作ったりホームページを開設して大々的に広告しており、料金表を公表し、ペット専用の墓地、納骨堂火葬場を設置、火葬、埋葬、納骨、法要を行っていました。

宗教法人側はペット葬祭事業は宗教行為であって収益事業ではないと主張していましたが税務署からは収益事業の認定を受けその取り消しを求め訴訟を提起しました。

最高裁判所の判断

最高裁判所の判断はこの宗教法人が行っていたペット葬祭事業は課税対象となる収益事業という判断でした。

判決内容は以下のページから確認いただけます。

本件ペット葬祭業においては、上告人の提供する役務等 に対して料金表等により一定の金額が定められ、依頼者がその金額を支払っている ものとみられる。

したがって、これらに伴う金員の移転は,上告人の提供する役務等の対価の支払として行われる性質のものとみるのが相当であり,依頼者において宗教法人が行う葬儀等について宗教行為としての意味を感じて金員の支払をしていたとしても、いわゆる喜捨等の性格を有するものということはできない

また、本件ペット葬祭業はその目的,内容,料金の定め方、周知方法等の諸点において、 宗教法人以外の法人が一般的に行う同種の事業と基本的に異なるものではなく、これらの事業と競合するものといわざるを得ない。前記のとおり、本件ペット葬祭業 が請負業等の形態を有するものと認められることに加えて、上記のような事情を踏まえれば、宗教法人である上告人が依頼者の要望に応じてペットの供養をするために、宗教上の儀式の形式により葬祭を執り行っていることを考慮しても、本件ペ ット葬祭業は、法人税法施行令5条1項1号、9号及び10号に規定する事業に該当し、法人税法2条13号の収益事業に当たると解するのが相当(判決文抜粋)

非課税となるペット葬祭事業は可能なのか

以上の判決から整理すると

料金表の設定、広告でペット事業の周知がされたという2点から宗教的意義があったとしても喜捨として認められないということになります。

ではどのような形であれば課税されないかということですが

①宗教的な意義があること

②檀信徒等、公募型ではなくある程度利用者を限定

③料金表は設定しない(檀信徒が任意に納めるもの)

この3点に留意すればペット葬祭事業の収益事業性を否定できる可能性が高くなります。

宗教法人ではなく公益認定を受けた公益法人であれば収益性がある事業でも公益目的があると判断されれば課税対象から除外されるということもあります。

その為、宗教法人で行うよりも公益法人で行うほうがメリットがある場合があります。


ペットの納骨を拒否されるケースがあります

 「ペットと一緒の墓地に入りたい」というニーズも高まっています。

可愛がっていた愛犬の遺骨を納骨したいという相談をある寺院の住職さんにしたところ、断られたという事例があります。

愛犬を家族として扱っていた方としては困った話です。

なぜ断れてしまったのでしょうか。

人の場合は納骨を頼まれれば拒むことができません。

墓地、埋葬等に関する法律 第13条

墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない。

ペットの場合は廃棄物処理法による一般廃棄物に分類されています。

そのため墓地の管理者はペットの納骨については断ることができるということなんです。

断る理由は宗教感情、精神上のことなど理由は多々あるかと思います。

中にはペットと人を一緒に納骨することを認めない宗派もあるようです。

しかし近年は寛容になってきているという話も聞きます。

骨壺に入れての納骨なら拒まれないという事例もあります。

ペットと入れる霊園がある

人とペットが入れることを売りにしている霊園・墓地があるようです。

これまではペットだけが入れる霊園が多かったと思います。

人にとってペットという存在がいかに大きいかということが分かりますね。

ペットの代表例は犬、猫ですが最近はハムスターや金魚、インコなどペットという概念も広がっています。

人の心を豊かにするからこそこのような墓地が増えていけばいいなと思います。

ペットを自宅の庭で埋葬するのも選択肢

ペットは身近で埋葬したい。

という方もいらっしゃるでしょう。

例えば自宅の庭や許可された場所で土に還してあげたいと考えるのは自然です。

そんな場合でも墓地のようなちゃんとした形にしてあげたい。

そのような方のためにプレートなど墓石の代わりに使うという方法もあります。

ある意味でペット霊園とは違う個性が出せかもしれません。

ペット埋葬について解説した外部ページもあります。

具体的な方法はこちらで確認してみてください。

ペット埋葬を自宅埋葬するペットのお墓の作り方が載っています。

まとめ

ペット葬祭事業

宗教法人でペット葬祭事業を大々的にすると課税されるリスクがあるが、一部の檀信徒に限定し料金を設定しないなどの形であれば収益性を否定できる場合もあるでしょう。

その場合でも宗教的意義は持たせる必要があります。

但し、最終的に税務署の判断になりますので事業をされる際は税務署との話し合いはすべきでしょう。

ペットの納骨拒否について

ペットと一緒の墓地に入りたいときは管理者と相談しましょう。

もし断られたらペットと一緒に入れる霊園を検討するか、自宅の庭で埋葬することもできます。メモリアルプレートなどを設置してあげましょう。