〔永代供養墓〕従来型の墓地との違い、埋蔵場所と焼骨の管理について

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永代供養墓とは契約の一形態

永代供養墓と従来型の墓地はどう違うのか?

ということは、これから墓地を購入する人にとっては意外と重要な問題です。

永代供養と名の付くお墓はもとより、樹木葬、納骨堂、合葬墓など様々な供養の形があります。

一口で永代供養墓を説明すると、お墓の管理や供養を継承者に代わって行うことを墓地経営者が請け負う契約形態のことです。

これは一般的な説明になりますが、従来型の墓地と比較していくと様々な違いがあるようです。。

今回は従来型の墓地との違いを踏まえながら、永代供養墓について考えていきます。

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埋蔵管理委託型標準契約約款から

厚生労働省が平成12年に出した墓地経営・管理の指針等について のII 墓地使用に関する標準契約約款で「墓地使用権型標準契約約款(いわゆる従来型の墓地)」と「埋蔵管理委託型標準契約約款(永代供養墓と言われるもの)」の2つの類型が示されています。

契約約款とは保険の約款のように1事業者対多数の消費者において契約時には事業者が示した約款(契約)に従うというもので、1対1で柔軟な契約ができる関係とは対照的です。

「埋蔵管理委託型標準契約約款」というのは、墓地の承継を前提としない契約形態で、永代供養墓と呼ばれるものに近い約款になります。

以下は約款の概要になります。

(第1条 目的)
本契約約款が何を目的として定められたのかを端的に示すものであり、かつ本契約約款を通じた根本理念を示すものである。

(第2条 埋蔵及び管理[供養]の実施)
本契約約款の中心的事項である経営者が負う義務内容について定めるものである。埋蔵した後については、一定年数経過後に合葬墓又は納骨堂に移す場合の規定を示した。

(第3条 委託管理料[委託供養料])
埋蔵及び管理[供養]についての料金を委託者が支払うべきことを定めるものである。

(第4条 委託者等による契約の解除)
委託者等がいかなる場合に契約の解除をなしうるかを明らかにするとともに、その場合の委託管理料[委託供養料]の取扱いについて規定するものである。

(第5条 経営者による契約の解除)
経営者がいかなる場合に契約を解除できるかを明らかにするものである。

特に第2条と第3条については従来型の墓地との違いが明確です。

第2条では、通常は墓地使用者と墓地経営者の双方に義務が定められているところ、埋蔵管理委託型では主に墓地経営者が義務を負うことになります。

更に、一定年数経過後に合葬墓や納骨堂に改葬する点についても、改葬の判断を墓地使用者がする従来型の墓地と比較しても大きな違いです。

次に3条では料金に対する考え方が従来型の墓地では墓地使用権設定に対する対価であるのに対して、埋蔵管理委託型では埋蔵と供養の委託料として支払うという考え方になっています。

この埋蔵管理委託型は非常にオーソドックスなもので、この指針が平成12年と17年前に作られたものであり、今では永代供養墓の形や契約形態が変わってきているのは事実です。


埋蔵場所と焼骨の管理

永代供養墓の埋蔵場所や焼骨の管理は一律ではありません。

簡単に分類してみます。

埋蔵場所

どこに埋蔵されるかについて2つに分類されます。

  • 預かった焼骨をすぐに合葬墓などに埋蔵するタイプ
  • まず従来型墓地に埋蔵し、一定期間後に改葬し合葬墓や納骨堂に改葬

墓地使用権ですが前者では発生せず、後者は一定期間発生します。

焼骨の管理

先ほどの前者の中でも2種類に分類されます。この点に近いことは樹木葬の話題でも触れたことがありました。

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  • 骨壺に入れたまま管理
  • 他の遺骨と合祀

永代供養墓を購入する際はいずれかについて、確認が必要です。

いずれも永代供養墓と呼ばれています。契約約款は墓地経営者や墓地環境によって変わってきます。最終的に焼骨を墓地経営者が供養・管理していくということは共通しますが、「どのように」「どこで」というところで一律ではありません。

オーダーメイド型の永代供養墓はアリ?

オーダーメイド型保険って聞いたことがありますか?

個々人によって必要な保険や保障が変わってくるので、状況に合わせて組み合わせる保険のことです。

保険業界でオーダーメイドはもう聞きなれた言葉かもしれません。墓石でもオーダーメイド型で設計されることがあります。

しかし、墓地経営者との契約は原則一律でオーダーメイドができません。

もちろん、小規模な寺院境内墓地で檀信徒さんとの関係が強い場合は個別の要望を聞いてもらえるかもしれません。

しかし、大規模な霊園になると簡単ではありません。

墓地管理上、宗教上の考え方があるのかもしれませんが、不可能なことではないと思います。

  • 死後、暫くどの墓地に埋蔵して欲しいか(従来型墓地、合葬墓)
  • 従来型墓地の場合は何年後に改葬して欲しいか(30年?50年?)
  • 親族が遺骨の引き取りを希望した場合に応じてもよいか
  • 管理方法は骨壺か合祀か

など

これらを予め、使用者から聴取したうえで契約をそれぞれ履行していくということです。

永代供養墓の場合は、死後の要望はそれぞれの考えがあるため、このような複合的な選択肢に対応できる墓地経営が求められていくのではないかと個人的に思います。