〔環境衛生監視員とは?〕墓地等の立入検査と報告徴収

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立入検査と報告徴収

墓地、埋葬等に関する法律では墓地や納骨堂だけでなく火葬場についても多くの規制が存在します。

必要があると認められる場合は、各施設に行政による立入検査や報告を求める権限が付与されているのはご存知でしょうか?

当然、経営許可を与えたらそれで終わり。ではありません。

大事なのは許可後に利用者が不利益を受けることなく、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく管理や埋葬等が行われるかということです。

つまり経営許可を出した行政の立場として墓地や納骨堂について監督する権限があります。

このような立入検査や報告を求める権限はどのような根拠で行われるのか。

立入検査をする場合はどのような形で行われるのか記事にしていきます。

法律上の根拠

まず、墓地、埋葬等に関する法律を確認してみましょう。

実は火葬場と墓地、納骨堂では関与の度合いが違います。

墓地、埋葬等に関する法律(抜粋)

第十八条 都道府県知事は、必要があると認めるときは、当該職員に、火葬場に立ち入り、その施設、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場の管理者から必要な報告を求めることができる。

2 当該職員が前項の規定により立入検査をする場合においては、その身分を示す証票を携帯し、且つ関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。

火葬場、墓地・納骨堂全てに共通するのは必要があると認められると、必要な報告を求めることができるということです。

さらに火葬場の場合は立入検査があります。

検査するものは火葬場としての施設、帳簿、書類その他の物件になり、立入検査をしようとする場合は、身分を示す証票を携帯する必要があります。

一方で墓地、納骨堂は報告を求められることはあっても立入検査を受けることはありません。

まとめると以下の通りです。

立入検査 報告徴収
火葬場
墓地・納骨堂

立入検査を拒むとどうなる?

この立入検査というのは行政調査と呼ばれるもので墓地管理者の任意の協力によるのか、強制的に行われるのか解釈が分かれるところですが、以下で抜粋した通り罰則が存在します。

墓地、埋葬等に関する法律(抜粋)

第二十一条 左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

二 第十八条の規定による当該職員の立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者、又は同条の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者

このように罰則が存在する以上は強制的なものとも捉えられます。

しかし、厚生労働省が出した指針によるとこの立入検査や報告徴収は任意によるものとされています。

その為、立入検査や報告を求めるには相当な理由があるはずですし、理由を説明する義務もあるでしょう。

墓地、埋葬等に関する法律が施行されてすぐに、「○墓地、埋葬等に関する法律の施行に関する件」と題して各都道府県知事あて厚生次官から通達が出ています。(昭和23年09月13日発衛第9号)

○墓地、埋葬等に関する法律の施行に関する件(抜粋)

一 法第一条の趣旨徹底
法第一条は、本法全般を施行する上の指導原理とも称すべきものであって、例えば埋葬、火葬等の許可事務又は墓地、火葬場等への立入検査は常にこの原理に立脚して、実施せられるべきものというべきである。
本法の施行が、徒に事務的に流れて宗教的感情を無視する如き取扱をすることは、本条の趣旨に背反するものというべきであって、本法施行の任に当る当該吏員、市町村吏員等に対しては特にこの趣旨の徹底に努めること

事務的に行うのではなく宗教感情に配慮する必要があります。

例えば法要が立て込む時期は避けたり、火葬場であれば稼働時間帯を避けるなど一定の配慮が必要ということになるでしょう。

「必要があると認められるとき」とは?

ここで「必要があると認められる」時というのは一体どのような状況になることなのでしょうか?

法律ではこのような曖昧な表現がよく出てくるわけですが、基本的に墓地等の監督権は行政の広範な裁量に委ねられているため具体的な事例は決められていません。

火葬場の衛生管理に問題があったり、墓地や納骨堂の永続性や安定性に影響がある事象が発生したような施設の存続に関わる場合に考えられるでしょう。

行政の側も立入検査や報告徴収に理由があるのか、市民に理解が得られるのかをしっかりと見定める必要があります。

環境衛生監視員とは

職員が立入検査をする場合は、その身分を示す証票を携帯し、且つ関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。とされています。

この職員というのが環境衛生監視員と呼ばれています。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則(抜粋)

第十条 法第十八条第一項の規定による当該職員の職権を行う者を、環境衛生監視員と称し、同条第二項の規定によりその携帯する証票は、別に定める。

携帯する証票については「環境衛生監視員証を定める省令」で決められています。

どのような証票かですが別記様式として省令で公開されています。

火葬場に限りますが立入検査をする場合はこの証票を携帯して、求めがあれば呈示をしなければなりません。

この様式から分かるように環境衛生監視員は墓地、埋葬等に関する法律による火葬場だけでなく、クリーニングや美容院、公衆浴場などにも立ち入り検査権限が与えられることになっています。

勿論、1人の職員に全ての権限があるとは限りません。複数の職員で分担していれば権限は分散されることも想定されています。

まとめ

墓地、埋葬等に関する法律では行政が必要と認めるときは報告を求めることができ、火葬場については立入検査もできる。

立入検査をするには環境衛生監視員という行政職員によって行われ証票を携帯、求めがあれば呈示をしなければならなりません。

皆さんが利用されて墓地や納骨堂の運営に何か大きな問題が潜んでいるのではないかと疑われる場合は。管轄する役所で相談し、場合によっては行政から報告を求めるようた対応も考えられるでしょう。

一方で墓地を経営、管理する立場の方は許可を得さえすればそれで終わりということではなく、運営の仕方によってはこのようなことも起こるということで理解してもらえればと思います。

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