〔宗教法人〕ZOOMで責任役員会、電子議事録はよいのか

ウェブ会議の促進、判子が不要になる時代が来る?

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出の自粛が日本中で要請されています。

宗教活動をはじめ宗教法人運営においても大変な影響を受けていると耳にしています。

そのような中で会議の在り方や議事録の残し方にも変化が生じるのではないかと思われます。

押印などの慣例を見直すことを国が検討を進めているようです。

政府は27日の経済財政諮問会議で、押印や対面など行政手続きの慣例や法規制を見直す方針を打ち出した。月内成立を図る令和2年度補正予算案を裏付けにした緊急経済対策の…

これまで必ず会って話をしていたことがスマホやパソコンのアプリでウェブ会議をしたり、判子文化にメスが入りだしたりと従来の慣習が変わりつつあることも、新型コロナウイルスの功罪の功の部分かもしれません。

宗教者はこのウイルスを期に、役員会の合理化を図ることができるのかが注目されます。

最近、よく耳にするウェブ会議でZOOMというものがあります。

Zoomって何? ZoomとSkypeってどう違う? パソコンでZoomミーティングに参加するには何が必要? 初めてZoomミーティングに参加するには? 二回目以降、Zoomミーティングに参加するには? セミナーやミーテ …

このZOOMで責任役員会を開催することは可能なのかということについて考えていきます。

責任役員会をZOOM上で開催することはできるか?

宗教法人法上、責任役員会という機関について具体的に定めた条文はなく、責任役員会の開催方法についても具体的に定める条文はありません。

責任役員が宗教法人の運営について意思決定することになっていますので、責任役員が集まり会議をするというのが原則になります。

お互いの顔を見て意見を交わして結論を導いていくということは必要不可欠なことです。

ただ、このことが自宅にいながらZOOMでできるとなれば議論を呼びます。

直接会うのかウェブ上で会うのかという違いだけで、十分に議論ができるものであればZOOMによる責任役員会は有効であるといえます。

仮に責任役員が3名だとして1名のみウェブでの参加となった場合はどうかという問題がありますが、それでも全員が一堂に会するのと結果が変わらないような環境であれば、責任役員会は有効に開催されたものと考えられます。

出席できない1名がウェブからの参加であるがために発言を遠慮したり、ウェブ環境上、意思疎通が難しいという事情がなければ問題ないでしょう。

本来であれば宗教法人の事務所などで集まるべきところ、新型コロナウイルスが蔓延している状況にあっては許容されると考えられます。

ポイントは議事録の作成と提出先

しかし、気を付けるべきことはその責任役員会で議事録を残す必要があるか?

その議事録は申請等で役所に提出が必要なものか?

ということを考慮する必要があります。

まだまだ役所が受け付ける申請書類には議事録に署名(記名)捺印を求めるケースがあります。

ZOOMでの会議後に議事録をデータで作成し、全員が電子署名をすることで一度も会わず、印鑑を押印せずして、電子議事録としては成立しうると考えられます。

電子署名については以下のページが参考になります。

書面に印鑑を押していた契約に代わり、今では電子署名を利用した電子契約が活用されています。この印鑑に代わる電子署名の基礎についてわかりやすく解説します。もし、知らなかったという方はぜひ参考にしてください。

それがまだ役所で認められていない間は、ZOOMで責任役員会は成立しても、責任役員会議事録の署名捺印は紙ベースで行う必要が出てくると考えられます。

新型コロナウイルスの収束まで長期化するような事情があれば、電子署名による議事録も公的な手続きで有効なものとして扱う運用になるかもしれません。

細則規定で責任役員会の開催方法を規定する方法も

恐らくどの宗教法人規則にも以下のような条文が入っているのではないかと思います。

(施行細則)

第○○条 この規則の施行に関する細則は、責任役員会の議決を経て、別に定めることができる。

規則のどの辺りかというと、宗教法人規則の終わりの方になります。

もしZOOMを活用して責任役員会を開催していくということになれば、細則に定めておく方がベターでしょう。

細則は所轄庁の認証が不要ですので、責任役員会で細則案を議決すればすぐに施行が可能です。

新型コロナの長期化が懸念されるため、頻繁に役員会を開催する場合は定めておかれるのがよいでしょう。

持ち回り決議は有効? まとめ

ZOOMや電子署名が問題なければ持ち回り決議もよいのでは?

という意見もあり得ますが、持ち回りという方法では役員会で実際に議論がなされていません。

既に結論が出ていることを他の責任役員が承認するだけであれば、話し合った事実がありませんのでお勧めしません。

宗教法人以外の形態の法人であれば、持ち回り決議が法律上認められるケースもあるようですが、基本的に宗教法人の役員会は現実に開催することを求められます。

いずれにしても、ZOOMや電子署名など便利なものが認められていくかは役所が認めるかどうかというところの問題が大きいでしょう。

どれだけ民間で活用されても、各種申請において紙を求める限りは印鑑も残りますし、議事録も紙ベースのままです。

当ブログとしての見解はZOOMによる責任役員会は会議としては有効であるものの、議事録については宗教法人法第25条の書類備え付け義務や慣習があるため、法改正がない限りは全て紙ベースで残す運用が現実的となります。

フォローする

この記事についてもっと聞きたい、ご意見などありましたらLINEで友達追加をしていただき個別にお問い合わせ頂けます。

友だち追加