〔法律で作成が義務?〕墓地管理者が作成すべき書類とは

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 墓地管理者の重要な役割の1つです

墓地管理者の役割について具体的にどのような書類を作成するのかは墓地、埋葬等に関する法律施行規則で規定されています。

実はこの規則で定められている書類以外にも任意で作っておいた方がよい書類もあります。

中にはこのような書類を作っておかないと不便なものもあります。

今回はその内容について解説します。

図面、帳簿又は書類等

墓地、埋葬等に関する法律に定められているのは以下の通りです

墓地、埋葬等に関する法律

第15条   墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、省令の定めるところにより、図面、帳簿又は書類等を備えなければならない。

「図面、帳簿又は書類等」を備えるとなっています。

現実的に考えると作成をしなければ備えることができません。

管理者が作成すると考えるのが妥当です。

もし管理者が作成できない事情があればその関係者が作成することは問題がないでしょう。

しかしこの法律では図面、帳簿又は書類等という大変アバウトな表現になっています。

具体的に省令(墓地、埋葬等に関する法律施行規則)で定められています。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則
第6条   墓地の管理者は、墓地の所在地、面積及び墳墓の状況を記載した図面を備えなければならない。
 納骨堂又は火葬場の管理者は、納骨堂又は火葬場の所在地、敷地面積及び建物の坪数を記載した図面を備えなければならない。

第7条   墓地等の管理者は、次に掲げる事項を記載した帳簿を備えなければならない。

 墓地使用者等の住所及び氏名
 第一条第一号、第二号及び第五号に掲げる事項(死亡者の具体的な情報)並びに埋葬若しくは埋蔵又は収蔵の年月日
 改葬の許可を受けた者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者等との関係並びに改葬の場所及び年月日
 墓地等の管理者は、前項に規定する帳簿のほか、墓地等の経営者の作成した当該墓地等の経営に係る業務に関する財産目録、貸借対照表、損益計算書及び事業報告書その他の財務に関する書類を備えなければならない。

図面

この場合の図面は我々素人が作成する簡単な図面でも構いません。

しかしできることなら測量士さん、土地家屋調査士さんに依頼して誰に見せても恥ずかしくない図面を作成しておくことをおすすめします。

その理由は正確な面積を知るには専門家にお願いする方が確実で間違いがないからです。

図面作成は素人だと得手不得手があります。

誰が見ても分かる図面でなければ意味がありません。

図面にはどの檀家さんがどの墓地を使用されているのか、又は誰も使用していない墓地なのかも明確にしたものが望ましく、墓地ごとに区画番号を設定するのがよいでしょう。

例)A-1、A-2のようなアルファベットと数字の組み合わせ

帳簿

使用者、埋葬者の情報になります。

帳簿というと会計帳簿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

もちろん墓地の管理で生じた収支も帳簿の範疇に入るでしょう。

しかし墓地の場合はより広い意味での帳簿になります。

帳簿をしっかり作っておかないと墓地の使用者が誰でどこに住んでいるか、連絡先なども分からなくなります。

また改葬する際の埋葬証明書発行事務にも支障が生じます。

墓地の管理料の支払いが滞る使用者が発生すれば使用者に問い合わせをすることも出てきます。

管理料の支払いが滞った時の対策として、複数の連絡先を予め聞いておくというのも重要です。

書類列挙されている書類は以下の通りです。

  1. 財産目録
  2. 貸借対照表
  3. 損益計算書
  4. 事業報告書
  5. その他の財務に関する書類

これらは墓地経営者が作成し墓地管理者が備え付けることになっています。

閲覧応諾義務があります

これまでに紹介したものは関係者から閲覧請求があった場合拒めません。

墓地、埋葬等に関する法律

第15条 2  前項の管理者は、墓地使用者、焼骨収蔵委託者、火葬を求めた者その他死者に関係ある者の請求があつたときは、前項に規定する図面、帳簿又は書類等の閲覧を拒んではならない

閲覧を拒んだ場合以下のような罰則があります。

墓地、埋葬等に関する法律

第21条   左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

2  第三条、第四条、第五条第一項又は第十二条から第十七条までの規定に違反した者

罰則自体決して重いものとは言えません。

しかし罰則を受けたという事実は未来永劫消すことはできませんし、そのような墓地を使用したいと誰も思わないでしょう。

もちろん閲覧義務に応じるのは常識的な時間帯であったり、準備に相当な時間を猶予するのは差し支えありません。

作ってないものは見せられないという対応だけはないように気をつけましょう。

因みにこの閲覧応諾義務は法人の代表者だけでなく従業員や代理人なども対象です。

任意だが作成・保管した方がよい書類

これまで墓地、埋葬等に関する法律施行規則で作成すべきものについて解説しました。

ここからは作成義務はないが、管理をするうえで作っていないとトラブルの原因になるものを紹介します。

墓地使用管理規則

墓地の管理と使用についてのルールです。

詳細はまた別の記事で解説しますが、禁止事項や管理者と使用者の義務を定めることでトラブルを予防したり、発生しても規則に則って解決ができます。

規則の設定については墓地経営者の意向もあるので、宗教法人であれば責任役員会と檀信徒の代表者である総代(会)で承認していただく必要があると思われます。(総代会を設置していなければ不要)

墓地経営許可証

これは管理者が作るものではありません。

墓地経営許可を取得した際に行政から発行されたものになります。

求められたときにすぐ提示できるよう写しを備えておくとよいでしょう。

もしない場合は経営許可証の再発行をしてもらいましょう。

その際は許可証ではなく許可証明書の形になる場合もあります。

自治体によって対応が異なります。

紛失した場合は墓地を管轄する役所に行き相談しましょう。

通常は親切に対応してもらえます。

登記簿謄本

墓地となる土地、納骨堂となる土地建物が誰の所有物なのか証明できる書類はあって損はありません。

経営者の所有物であることが原則です。

ネットからでも登録手続きは必要ですが簡単に取得できます。

まとめ

  • 墓地の運営に携わっている方でこれらの書類をもし作っていものがあれば(法的に必要なものは)作成しましょう。
  • 特に墓地使用管理規則は広く普及しています。ルールは口約束ではなく書面に残すことが大事です。その際は関係者の皆さんが納得いく形で総代さんと相談しましょう。