〔墓地区画整理〕改葬の進め方

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樹木葬墓地が必要になったら

樹木葬墓地の需要に応えたいというのは宗教法人のみならず、地方公共団体が運営する公営墓地でも顕著です。

従来の一般墓地では売れにくいということと、樹木葬墓地にして区画を小分けにすれば安く提供できるため、今後もこのような傾向は続いていくでしょうか。

ここ最近では前橋市で樹木葬墓地の整備を検討しする報道もありました。

前橋市が管理する嶺公園墓地(同市嶺町)を巡り、市が園内で樹木を墓標に多数の遺骨を合葬する「樹林墓地」の整備を検討していることが20日、分かった。

行政が運営する公営墓地で検討しているぐらいですから、宗教法人が運営する墓地についても当然その傾向は広まっていると言っていいでしょう。

ただ、樹木葬用の区画を一定程度確保しなければなりません。

特に、小規模寺院で樹木葬をしようとすると既存墓地区画と別に確保するのは墓地区画整理をしないと無理なところもあります。

今回は寺院墓地に限らず墓地区画整理をする上で心得ておくことを記事にしていきます。

墓地使用者の承諾が必要

墓地区画整理をする上で、特定の区画に移転をしてもらうには原則として墓地使用者の承諾が必要です。

当たり前の話ですが、勝手に改葬することは認められません。例え、すぐ隣の区画に移ってもらう場合でもです。

同じ墓地内でも改葬申請が必要

改葬申請というと別の墓地へ遺骨を移す時に必要。

というイメージがありますが一旦納骨した以上、同じ墓地の中で移動するにしても改葬申請が必要です。

改葬申請は市町村長に対して行います。

改葬申請は原則として墓地使用者である遺骨の所有者である祭祀者から行うのが原則です。

しかし、墓地区画整理の場合は例外もあります。

改葬承諾書があれば墓地経営者から行うこともできる

墓地区画整理をする際に、墓地の移転が必要な区画数は計画の段階である程度固まっているはずですが、1軒、2軒程度で済むことは考えにくく、計画規模によっては数十件に至ることもあります。

そのような場合は、墓地経営者が取り纏めるという方法が考えられます。

その際は予め、市町村の窓口で担当者と承諾書の内容について相談しておきましょう。

墓地区画の大幅な変更を伴うことがあれば、墓地変更許可申請の話も同時に進めないといけない場合もあります。

そのような意味で予め相談しておく方が後々のトラブル防止につながります。勿論、相談は計画段階でしましょう。

樹木葬の墓地変更許可については以下の記事でも触れたことがあります。

承諾が取れない場合

墓地区画整理に賛同しない墓地使用者が出てくることも想定しなければなりません。

移転費用を墓地経営者側の負担にして墓地使用者に一切の負担を求めない場合でも反対される方はいらっしゃいます。

ある程度話し合っても折り合いつかず、自主的な改葬申請も、改葬の承諾も得られない場合は、墓地経営者から「改葬を承諾することを求める訴訟」を提起することが検討されます。

訴訟を提起するのは、墓地使用者の反対に合理性がない場合や墓地運営上の必要性がある場合で、どんなケースでも認められるものではありません。

仮に訴えが認められれば、改葬承諾に代わる裁判謄本で墓地経営者で改葬申請をすることができます。

しかし、これは最後の手段ということで訴訟費用や禍根を残すことを考えると墓地使用者の承諾を得ることが望ましいでしょう。

将来的な墓地区画整理に備える準備を

墓地区画整理は規模によっては短期間で行えるものから、移転件数が多い場合は1年以上の準備期間を設けるほうがいいということもあります。

墓地区画整理には多くの関係者が出てきます。

墓地使用者はもちろん、総代さん、墓石業者、樹木葬墓地造成業者、行政当局などこの中で墓地経営者が中心となり、調整をしていく必要があるでしょう。

墓地使用管理規則は将来的な墓地区画整理を想定した内容になっているか。

墓地使用者が墓地経営に対して一定の協力を求められる内容になっているか。

責任役員会や総代会でも了承が得られそうかなども留意すべきです。(資金面も含めて)

霊園でも小規模墓地でも葬送の選択肢はあるほうがいいでしょう。

しかし、最終的に墓地使用者の意向に左右されることになりますので準備は慎重に段階を踏んで行いましょう。