〔避難場所〕墓地を活用しよう

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避難場所としての墓地

雑司ヶ谷霊園(wikipediaより)

日本は地震大国と言われるほど大小合わせれば無数の地震が発生しています。

日本列島では2016年、震度1以上の地震が6,587回観測されました。

この日本列島に住む限り、地震と無縁で生活することはできません。「揺れる日本列島」は、揺れ続ける日本列島の様子を、グラフやカレンダー、地図、ランキングなどでわかりやすく分析する地震統計サイトです。

これは1日に約18回、1~2時間に1回は日本のどこかで地震が起きているという計算になります。

2016年に発生した熊本地震では地震後、暫く車中泊をする中でエコノミー症候群で亡くなったり、持病が悪化するなど2次災害の発生も防止しなければなりません。

そんな中で墓地はどのような役割を担うことができるのか。避難場所としての機能を検討します。

霊園が避難場所に指定されている例

東京都豊島区の事例

東京都の豊島区ではある霊園が災害時の避難場所として指定されています。

雑司ヶ谷霊園という公営墓地です。

墓地の区域面積105,867㎡、避難有効面積53,174㎡、そして避難計画人口は21,867人。

この墓地は元々、避難区域として利用することを想定して作られていません。この霊園が設置されたのは1874年(明治7年)。結果的に避難場所として適した霊園となっていったと考えられます。

雑司ヶ谷霊園は公営墓地であるため避難場所として指定しやすい部分はあります。一方で民間が運営する霊園でも行政と協定し避難場所として提供しているケースもあります。


創価学会戸田記念墓地公園と石狩市の事例

民間の霊園と行政との協定事例で調べてみると出てきたのは石狩市と創価学会の墓地です。

大規模地震等の災害時における創価学会戸田記念墓地公園施設の 一時避難所使用に関する申し合わせ事項確認書

この確認書が交わされたのは平成24年11月ということですから恐らく平成23年の東日本大震災を背景になされたものでしょう。

上の地図を見ていただければ分かりますが、この周辺は石狩湾に接しており万が一の大規模津波が発生した際の避難場所としての機能を期待してのことかと考えられます。

毎年春になると、ソメイヨシノをはじめとする約8000本の桜が咲き誇る、道内有数の桜の名所です。どなたでもお気軽にご来園ください。

避難場所として民間霊園活用を進めるべき

熊本地震で危惧されましたが、長時間の車中泊がエコノミー症候群の原因になっていることから屋外泊でも足を延ばして寝られる環境というのが求められます。

そこで大規模霊園を運営する宗教法人は住民の避難場所の提供を積極的に行うべきだと考えます。

行政側も墓地の許可を出す前提として規模によっては、又は規模に応じた災害協力を求めることは市長の裁量権を逸脱するものではなく公益にかなうことです。

避難場所に指定されれば食料や飲料水などの備蓄の保管もすることになりますし、宗教法人側の負担は生じますがCSRの観点から単純な墓地という公益事業から、複合的な公益性を持った施設を目指ざすべきです。

もちろん小規模な寺院でも境内建物の開放をし住民に避難所として提供を予定しているところが増えてきました。宗教界でこのような動きが広がっているのは非常に良いことです。

日蓮宗では避難場所提供に独自の取り組みをしているようです。

そもそも境内地や境内建物というのは周囲に開かれたものであるべきという文化庁の考え方もあります。

墓地は境内地と捉えることができますので本来の弔い目的だけでなく、宗教感情を害しない程度に開放されることが求められます。

まとめ

民間の大規模霊園は災害時の避難所として利用できるよう行政との協定を進めるべき。公営霊園だけなく民間霊園も場所によっては重要な避難場所になる。