〔無縁墳墓とは〕管理料の未払いが続くこと?

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無縁墳墓になると改葬される?

なかなかお墓参りができない

お墓掃除もできてない、墓地があるお寺さんとも連絡が取れていない、などなどお墓と疎遠になるケースが増えています。

行けるのに行かない場合もあるでしょう。

深刻なのは誰も墓地を見る人がいなくなることです。

いずれにしても墓地の管理者は無縁墳墓と認定すると所定の手続きにより改葬できるのです。

今回は具体的に改葬に至るまでを見ていきましょう。

無縁墳墓の定義

死亡者の縁故者がいない墓地のことです。

無縁墳墓と認定されるには大きく分けて3つの要因があります。

①廃家・絶家する、遺族が所在不明で連絡が取れないこと
②墓参りをしている形跡がなく、掃除されていない、
③管理料の未払いが続いている

これらを総合的に見て判断されます。

無縁墳墓等改葬申請

無縁墳墓となった場合、所定の続きを経ることで改葬することができます。

改葬には改葬申請の手続きが必要ですが、手続きができるのは墓地使用者やその関係者です。寺院が代わりに改葬申請をすることで墓地の使用関係を解消することができます。

この手続きについてまず確認すべきなのは墓地、埋葬等に関する法律施行規則です。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則

第三条 死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂(以下「無縁墳墓等」という。)に埋葬し、又は埋蔵し、若しくは収蔵された死体(妊娠四月以上の死胎を含む。以下同じ。)又は焼骨の改葬の許可に係る前条第一項の申請書には、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。

 無縁墳墓等の写真及び位置図
 死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、かつ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面
 前号に規定する官報の写し及び立札の写真
その他市町村長が特に必要と認める書類

以上の書類を作成し市町村長に申請することで墓地管理者は改葬することができます。

一番重要なのは墓地を改葬することで困る人がいないかどうか慎重に慎重を重ねて確認する作業というのが無縁墳墓改葬申請です。



自治体が定める手続き

具体的な手続きは多くは共通していますが詳細は各自治体によって異なる部分があります。

一例として3つの自治体HPを紹介します

高知市

日進市

みよし市

みよし市の場合は以下のように縁故者調査を入念にすることを求めています。

墓石および縁故者の調査

・墓石調査などにより戒名・建立者・日付などの記載事項を記録する。

・近隣墓地使用者や地元行政区役員など当該墓地に詳しい人の話をもとに縁故者の有無を確認する。

墓地使用規則との関係

墓地使用規則ではどのような場合に無縁墳墓として墓地管理者が改葬するのかということを定めておくのが望ましいです。

しかし定めなかったから無縁墳墓として改葬できないかといえばそうではありません。

予め墓地使用者がこの無縁墳墓の改葬について定められた規則を承諾しているかどうかというのは後々の紛争予防の観点から非常に重要です。

ある公営墓地の例

ある町の公営墓地の墓地管理使用条例の一文です。

○○町墓地管理使用条例

第◯◯条 使用権は、次の各号の一に該当するときは消滅するものとする。
(1) 使用者が死亡した日から起算して2年を経過しても、祭祀をつかさどる継承者がいないとき。
(2) 使用者が所在不明となった日から起算して10年を経過しても、所在が明らかにならないとき。
2 前項の規定により使用権が消滅したときは、町長はその碑石及びその他の物件を一定の場所に改葬し、又は移転することができる。

これは条例ですが、民間墓地であっても同様の条文を盛り込んでおくことが望ましいでしょう。

ここでは町長という表現ですが墓地管理者とか寺名に書き換えてもよいと思います。

無縁墳墓改葬の前提として

無縁墳墓の改葬は遺骨と墓石の移転が伴います。

そのため、墓地使用権、いわゆる永代使用権をまず消滅する規定を入れておかなければなりません。

消滅させないことには遺骨や墓石を動かすことは問題となります。

消滅条件

墓地使用権を消滅させることは使用者側にとっては重要な事です。

そのため、どのような場合に消滅するかは明記しておかないといけません。この公営墓地のケースでは

  • 使用者死亡から2年間承継者が不在
  • 使用者の所在不明が10年続いたとき

この他にも民間霊園や境内墓地では

  • ◯年間管理料の支払いが滞った場合

などの規定も盛り込むことができます。

ここでは具体的な数字が2年、10年になっていますがそれぞれの墓地の実情を踏まえて年数を決める必要があります。

管理料未払いで改葬されてしまう?

結論から言えばそのような内容が墓地管理使用規則で定められているかが問題です。

墓地管理者側としても管理料の支払いがないということは祭祀承継者が不在、使用者が行方不明というケースが多いでしょう。

祭祀承継者はいるが墓地管理料が支払えないという場合は、墓地管理者と相談しましょう。

状況によっては猶予してもらったり分納を許可してもらえる可能性があります。

いずれにしても今一度、どのような場合に墓地使用権が消滅するのか規則を確認しましょう。

もし規則自体が存在しない墓地ということであれば墓地管理者と個別の相談になります。

まとめ

  • 無縁墳墓になると改葬されることがあり墓地、埋葬等に関する法律施行規則で手続きについて定められている
  • 祭祀承継者の不在、使用者の行方不明、墓地管理料未払いで墓地使用権が消滅することがあり年数については規則を確認しましょう
  • 規則自体がない墓地もありその場合は管理者と相談しましょう