〔墓地廃止〕廃止すべき時と3つの手順

Pocket

墓地を廃止するには

どうしても墓地の運営ができなくなった。

空いている墓地を別の用途に使いたい。

共同墓地の場合で誰もお墓参りに来ない。など

理由は様々ですが、長年運営していく中で墓地を廃止する必要に迫られることがあります。

そんな場合は手順があります。決まった手順を守らないと墓地、埋葬等に関する法律に抵触することがあります。

今回は墓地廃止申請の一連の流れについて見ていきます。

廃止のための3つの手順

墓地使用者による墓地廃止の承諾

まず墓地の廃止は宗教法人だけで判断することはできません。

廃止にする墓地の使用者の方の承諾がなければまず進められません。

何故なら次の手順で述べますが改葬申請が必要だからです。

承諾のためには

  • 廃止する理由
  • 継続するためにどのような努力をしたか
  • 廃止後の墓所の確保など

使用者が納得いくまで説明をしなければなりません。

墓地の廃止が使用者からの申し出である場合はそのような手順は不要でしょう。

しかし宗教法人側から提案することが多く、説明責任を果たさなければなりません。

使用者側がもし反対だったとしても拒否し続けることは現実的に難しいでしょう。

改葬を求める訴訟を提起され改葬の承諾に変わる判決謄本があれば宗教法人単独で改葬申請ができるからです。

改葬手続き

墓地を廃止するということは遺骨を別に移す必要性が生じます。

遺骨を別の墓地や納骨堂に移す場合は改葬申請が必要になります。

これらの手続きがすべて完了しなければ墓地の廃止はできません。申請先は市町村になります。

墓地廃止申請

墓地の廃止には新設と同じく行政の許可が必要です。

墓地、埋葬等に関する法律

第10条    墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
 前項の規定により設けた墓地の区域又は納骨堂若しくは火葬場の施設を変更し、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場を廃止しようとする者も、同様とする。

墓地の廃止は使用者の方が承諾していて特段反対運動がなければ円滑に廃止許可を取得できるでしょう。廃止には事前協議・相談が必要になることが多いです。

使用者の承諾を得る段階で協議を始め、行政から指導や助言を受けながら進めるのがよいでしょう。

いつ廃止の手続きをすればよいか?

例えば、昔に墓地の許可を取得していたであろうところがあって、誰もお参りをしていない場合。

そこは墓地の廃止をすれば土地を別の用途に使用することができます。

この廃止の手続きですが、どの時点ですべきなのかを考えていきます。

廃止しようとするときでよい

結論から言うと、廃止の必要性を感じた時で構いません。

墓地、埋葬等に関する法律
第十条  墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
 前項の規定により設けた墓地の区域又は納骨堂若しくは火葬場の施設を変更し、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場を廃止しようとする者も、同様とする。

墓地、埋葬等に関する法律では「しようとする」時でよいとされています。

廃止をしようとする時に申請すればよく、外見上、墓地としての利用が廃止されていることを確認したら(必ず)廃止しないといけないものではありません。

極論をすると手続きは任意の時期でよいと言えます。

使用されてないが今後も墓地として残してもよいのか

墓地として利用されているかはさほど重要ではなく、実は一旦許可を得て墓地となると制限なく墓地とし続けることができます。

ですので誰も墓参をしてなくて無縁墳墓になった状態であっても、廃止をしなければならないわけではありません。

どうしてもその墓地に家を建てたい、墓地以外の用途に土地を使いたいということがあれば廃止をするということになります。

日本国内に墓地がどれぐらいあるかご存知ですか?

墓地の数 全国にいくつあるかご存知ですか?
全国の墓地数 人にとって終の棲み処となる墓地ですが日本全国でいくつあるかご存知ですか? 実は80万箇所以上あるとされています。実際そんなにあるの?という声が聞こえてきそうですが厚生労働省から報告された数字なのです。 実はこの数字を追っていくと裏側がいくつか見えてきます。今回は墓...

約80万カ所、行政が墓地として把握している場所があるということですが、このうちどれぐらいかは分かりませんが廃止してもいい墓地があるはずです。

特に墓地管理者を設置していないことが多い個人墓地、そして土葬がされていたところに多いのではないかと推測します。

実際に行政は全ての墓地の状況を把握しているわけではなく、社会問題化しないことがあり、放置されているのが現実でしょう。

墓地の廃止申請は任意でよいとはいえ、場合によっては墓地であったことを知らずに墓地以外の用途に土地を使ってしまうこともあり得ます。

そうなると墓地、埋葬等に関する法律に違反することになりますので注意が必要です。

まとめ

  • 墓地の廃止には使用者の改葬承諾が不可欠
  • 使用者が拒否し続けることは実際に難しい
  • 廃止の時期は「廃止しようとした時」、極論すれば任意の時期でよい
  • 墓地以外に転用する場合は廃止申請をする必要があります