〔水葬〕船員法で水葬ができる要件とは?

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水葬とは

お墓との関係で土葬や火葬は聞いたことがあると思いますが水葬についてご存知ですか?

日本では人が亡くなれば火葬し遺骨は墓地や納骨堂に納骨するか自宅で手元供養するかのいずれかです。

しかし例外的な場合に海に水葬をすることがあります。

世界的に見れば宗教上の理由ではインドのガンジス川に水葬する文化があります。その他は洋上で死者が発生したり、上陸戦での死者が出た場合で遺体搬送が困難な場合は水葬をすることもあります。

今回は墓地、埋葬等に関する法律との比較をしながら水葬について見ていきます。

因みに水葬は海洋散骨とは異なるものです。散骨については以下の記事をご参照ください。

〔散骨〕法律的にグレーな理由と業者選びで気をつけるべきこと
散骨とは 人は亡くなると火葬場で火葬され焼骨となります。 焼骨はその後自宅に安置されしかるべき時期に墓地や納骨堂に埋蔵(収蔵)されます。 一方で散骨は火葬してから遺灰として海や山に撒くことを言います。 「生前、母が死んだら海に散骨して欲しい」 と話していたので散骨し...

船員法

水葬の根拠となる法令は船員法と船員法施行規則です。

船員法 (水葬)

第15条 船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、国土交通省令の定めるところにより、これを水葬に付することができる。
ただし、水葬するには以下の条件を全て満たす必要があります。
船舶が公海にあること。
死亡後二十四時間を経過したこと。ただし、伝染病によつて死亡したときは、この限りでない。
衛生上死体を船内に保存することができないこと。ただし、船舶が死体を載せて入港することを禁止された港に入港しようとするときその他正当の事由があるときは、この限りでない。
医師の乗り組む船舶にあつては、医師が死亡診断書を作成したこと。
伝染病によつて死亡したときは、十分な消毒を行つたこと。
このように伝染病で死亡し遺体を移送すると他の船員に伝染する危険性があった場合にやむを得なく水葬することが想定されています。
極力、帰国してから火葬できるように水葬は避ける運用となっています。
②の24時間以内の水葬禁止は墓地、埋葬等に関する法律と同じです。
墓地、埋葬等に関する法律
第3条  埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
これは死後24時間以内の蘇生が稀にあるためです。

相当な儀礼が必要

船員法施行規則
第5条 船長は、死体を水葬に付するときは、死体が浮き上らないような適当な処置を講じ、且つ、なるべく遺族のために本人の写真を撮影した上、遺髪その他遺品となるものを保管し、相当の儀礼を行わなければならない。

水葬をする条件が全て整った場合は船上で相当な儀礼を行うことになります。

儀礼とは何か?ということはそれぞれ乗船で内部規則などがあるのでそれに則ることになるのでしょうが、所謂簡易で即席の葬儀とみてよいでしょう。

一方でこのような規定は墓地、埋葬等に関する法律にありません。葬儀をするかどうかは自由です。この点、水葬とは運用が変わってきます。

違反したら

水葬に附す条件に違反した場合は罰則が規定されています。

船員法 第126条

船長が次の各号のいずれかに該当する場合には、三十万円以下の罰金に処する。

 第十五条の規定に基づく国土交通省令に違反して水葬に付したとき。
墓地、埋葬等に関する法律でも埋葬に至るまでの手続きに問題があれば罰則があります。

まとめ

  • 水葬という葬送方法について船舶法に規定されている
  • 24時間以内の火葬禁止は墓地、埋葬等に関する法律と類似しているが相当な儀礼が必要なところは水葬特有の規定である
  • 水葬に附す条件に違反すれば罰則がある

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